撮影日記


2010年01月25日(月) 天気:くもり一時あめ

「Professional」を名乗らない潔さ

あらためて眺めてみると,カメラ等には「Professional」という文字がついているものが多いようだ。たとえばマミヤのカメラを見れば,「Mamiya RB67 Professional」「Mamiya RZ67 Professional」「Mamiya C330 Professional」「Mamiya C220 Professional」という具合である。これらは「プロフェッショナル用のカメラですよ」ということをアピールしていると言える。そうだとすれば,「Mamiya 645」や「Mamiya 7」などは「プロフェッショナル用のカメラではありませんよ」ということになるのだろうか。
 たとえば「アサヒカメラ」1955年1月号表紙裏(表2)のマミヤ光機株式会社の広告を見てみよう。「3.5,75mm級レンズの選び方」と称して,3枚玉のセコールT,4枚玉のセコールSを紹介し,あわせてマミヤシックスやマミヤフレックスを宣伝している。その宣伝文には,これらのセコールレンズを搭載したカメラは「写真をお専門となさるのでなければ、ぜいたくすぎるといえるほどのしろものです。」という表現が見られる。当時のマミヤシックスやマミヤフレックスは,プロフェッショナル用のカメラではなかったということだろうか。そうだとすれば,じつに潔いではないか。

マミヤの中判カメラで「Professional」を名乗っていないカメラとしては,「マミヤプレス」を忘れてはいけない。しかしながら,「マミヤプレス」こそ,「仕事用のカメラ」というイメージが強烈である。「写真工業」(1960年12月号)には,「新発売 プロ用6×9判カメラ誕生 マミヤプレス」という広告が掲載されている(2006年7月25日の日記を参照)。メーカーとしても,「マミヤプレス」を「プロ用」カメラだとして扱っているのだ。それにもかかわらず,「Professional」を名乗らない「マミヤプレス」の偉大さを,我々はみんな思い知らねばならないのである。
 いや,「プレス」とは「報道」の意味である。「報道」で写真を撮る人は,「プロカメラマン」である。すなわち,「プレス」には「プロ」という意味が含まれているということになるのか。

もしいま,「マミヤプレス」と同コンセプトのカメラが復刻されるなら,それは伝統ある「マミヤプレス」を名乗らずに,シンプルに「マミヤプロフェッショナル」を名乗ることになるのだろうか?いやだ,ぜひ「マミヤプレス」の伝統を受け継いでいただきたい,と思うのであった。


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