撮影日記


2009年12月17日(木) 天気:晴

餃子のビーナスはどこへ行った?

宇都宮へ行くことになった。もちろん,仕事である。
 広島から東京まで,新幹線で約4時間。以前は新幹線でも5時間近くかかっていたことを思えば,近くなったものである。しかも,乗り換えは不要。だから,東京へ行くことは,とくに「遠くへ行く」という印象はもたない。
 しかし,東京を一歩でも越えるなら,それがたとえ千葉や大宮あたりであったとしても,「遠くへ行く」という印象が一気にわきあがる。ましてや今日は,宇都宮である。前日のうちにせめて東京まで行って1泊したいものだが,前夜は遅くまで予定がある。
 結局,現地の担当者との待ち合わせは,宇都宮駅東口に12時半ころとなった。この時刻であれば,当日の朝に広島を発っても,十分に到着できる。

担当者の説明によれば,宇都宮駅東口は「メインじゃない方の出口」とのこと。その長い長い通路の先を出たところで,待っていてくれという。そのあたりには,「餃子のビーナス」という像があるはずなので,すぐにわかるだろう,とも。
 説明通りに,長い長い,たしかに長い通路を東口へ向かう。なにやら工事をしているようだが,かまわず指示通りに出てみたのだが,「餃子のビーナス」像らしきものは見あたらない。それどころか,あたり一面,工事中だ。そのあたりの人に「餃子のビーナス像はどこですか?」と聞くのも,なんか悔しいので,うろうろ探しまわる。やはり,見あたらない。範囲を広げて探しまわっても,見あたらない。「餃子のビーナス」像を見ることが目的ではないのだが,それが待ち合わせの目印なのだから,見つからないと困る。
 待ち合わせ時刻が近づいたので,ついに「降参」。担当者の姿も見えないので電話をかけてみたところ,やや遅れているらしい(笑)。その後,ようやく合流できたのだが,担当者曰く。「なんか工事してて,えらく変わっていますね」と。しばらく来ていなかったので,まさかこんな状況になっているとは知らなかったらしい。

あとでわかったことだが,「餃子のビーナス」像は,たしかに宇都宮駅東口にあった。しかし,東口の再開発工事のために,西口の方へ移転させたとのこと。しかも,移転の際に,不注意で破損させてしまったという,そんなお話までついていたのだった。

結局,「餃子のビーナス」像には出会えなかったのだが,宇都宮駅構内で餃子を食すことはできたし,仕事も滞りなく済ませられたので「よし」としよう。

いや,ほんとうは「人に会う前」だから,お昼に餃子を食べるつもりはなかったのだ。
 広島を朝いちばんの「のぞみ108号」に乗れば,東京駅には10:03に着く。そして,東北新幹線「MAXやまびこ207号」に乗り換えれば宇都宮に11:14に着くのだが,これでは少々早すぎる。そこで,品川(9:56)で「のぞみ」を降り,山手線で1駅となりの大崎に行けば,大崎駅10:16発の湘南新宿ラインの宇都宮行き快速電車に乗りかえることができる。これは宇都宮に12:00に着くので,まことに好都合である。昼食は,簡単に立ち食いそばで済ませるつもりだった。
 ところがこの日の朝,東海道本線で人身事故があった。そのため,東京周辺の在来線はダイヤが大きく乱れていた。湘南新宿ラインも電車が遅れている。10:02の高崎行きは10分以上遅れて大崎を発車した。先行の電車が詰まっているようで,途中で徐行したり,さらには止まってしまったり。池袋では20分くらいの遅れになっている。赤羽を過ぎたころにはようやくすいすい走るようになったが,大宮に着いたときも20分くらい遅れたまま。全体に20分遅れだと,予定の電車が宇都宮に着くのも12:20ころということになってしまう。これではギリギリだ。ギリギリでも,それが確実なのであれば,問題はない。しかし,ほかの影響でさらに遅れると非常にまずいことになる。
 結局,大宮から東北新幹線に飛び乗ることにしたのだが,宇都宮に着いたのは11:29。これはこれで,早すぎる……ということで,宇都宮駅で餃子を食すことにしたのであった。

それにしても,東海道新幹線の車内で,在来線のダイヤが乱れていることを詳細にアナウンスしてくれてもよさそうなものなのに。わかっていれば,すなおに東京駅で東北新幹線に乗りかえていただろう。民営化されてから随分となるわけだが,こういうあたりに融通が効かないのは,いかがなものかと。ぶつぶつ。


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