撮影日記


2009年12月14日(月) 天気:晴

AEファインダーでパワーアップ

早いもので,もう12月もほぼまん中である。今週はいきなり,「マミヤプレスファンクラブ」の忘年会となってしまった(笑)。
 参加者の1人が持参されたカメラは,中判写真を語る場であるはずなのに,LUMIX G1というディジタルカメラである。まあ,私を含めてほかの参加者も,中判カメラ一式を持参していないので,これでいいのだ。LUMIX G1というと,一眼レフカメラ風のスタイルをもった,レンズ交換式のカメラである。これをメーカーは「ミラーレス一眼」と称している。プロやマニアがよく使う高級システムカメラには,「一眼レフ」という形式のものがある。これは,1つのレンズによって結ばれる像を,ミラーを使ってファインダーに導くしくみをもったもので,フィルムに写るものと同じ像をファインダーで確認することができることが最大の長所である。LUMIX G1には「一眼レフ」における「ミラー」が存在していないので,「一眼レフ」ではない。しかし,1つのレンズによって結ばれる像を,ファインダーでも確認できるわけなので,「レフ」をはずして「一眼」と称しているのであろう。ご丁寧に,「ミラーレス」なんていう修飾語までついている。「一眼レフ」に対する「ミラーレス一眼」というのは,「山の中の山中で,武士の侍が馬から落ちて落馬して……」というタイプの,くどい表現というわけだ。
 かつて,キヤノンAE-1という大ヒットした一眼レフカメラは,ワインダーを装着できることが1つの特徴だった。メーカーによってつけられたセールスコピーは「連写一眼」。ワインダーによる連続撮影ができる一眼レフカメラである,ということを意味している。この場合の「一眼」は,「一眼レフ」を単純に省略しただけの表現だ。ここから見れば,LUMIX G1の「ミラーレス一眼」は「ミラーのない一眼レフですよ」という意味になる。しかし,ミラーがなければ一眼「レフ」ではないわけなので,なんともおかしな表現になる。
 ちなみに,一般的なコンパクトディジタルカメラは,撮影レンズで結ばれた像をLCDで見ながら撮影することができるようになっている。撮影レンズの像を見ながら撮影できるわけだから,これも「ミラーレス一眼」であることは間違いない。ではなぜ,コンパクトディジタルカメラは「ミラーレス一眼」と名乗らないのか。そこに,「一眼レフ」と似たような名称を使うことで,ニコンやキヤノンの「ディジタル一眼レフ」カメラの市場に食いこもうとする,LUMIX G1努力を感じてしまうのであった。
という具合に,少々あやしげな背後を想像してしまうLUMIX G1だが,ディジタルカメラとしてはなかなかよいものになっているのではないだろうか。手にもってみると,見た目ほどには小さくない。それは,小さすぎないということであり,使い勝手は悪くなさそうである。LCDによるピント合わせは難しく感じるが,慣れればそれなりにピントの山などをつかめるようになるだろう。持ってこられた方によれば,画質も悪くないという。よく知られているように,フランジバックが短いためマウントアダプタを介してさまざまなレンズが使用できる,というのもおもしろい。ライカ用の沈胴レンズなども普通に使えてしまう。

さて,前置きが長くなってしまったが,今日は1つ「おみやげ」をいただいた。

ブロニカETRSを手放して,残っていたものだという。ブロニカETRS用のAEファインダーII型だ。ETR用のI型と違って,シャッターボタンの半押しで露出計のスイッチがONになる(2008年4月26日の日記を参照)ので,使いやすい。
 ずっと放置していたので,露出計が動作するかどうかはわからないとのことだが,もし露出計が使えない状態だったとしても,プリズムファインダーとして使うことはできる。少なくともこれで,縦位置撮影がやりやすくなるというものだ。
 さっそく,ZENZA BRONICA ETRSに取りつけて,動作を確認する。

はじめのうちはやや動作があやしかったが,しばらく試しているうちに,目が覚めたようだ。
 セミ判一眼レフカメラは,なんといってもコンパクトである。レンズ,ボディ,フィルムバックなどがバラバラにできるため,小さいカバンにでもなんとか収まってしまう。そこにAEファインダーがつけば,撮影も手軽にできるようになって,セミ判一眼レフカメラが大幅にパワーアップする。
 ただし,プリズムファインダーの宿命。大きく重いのであった。


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