撮影日記


2009年11月21日(土) 天気:晴

Qちゃん公園

ここは,以前から「Qちゃん公園」と呼ばれてきた場所である。なかには「オバQ公園」と呼んでいる人もあるかもしれないが,この界隈で「Qちゃん公園」といえば,「ああ,あそこだな」とすぐにわかる,そんな場所である。
 もちろん,「Qちゃん公園」が正式な名称であろうはずはない。別にちゃんとした名前があるのだが,その名前で呼ぶ人は,たぶん少ないんじゃないだろうか?
 なぜここが「Qちゃん公園」と呼ばれるのか。その理由は,奥のすべりり台の向こうの壁に,なぜかずっと以前から,「オバケのQ太郎」が描かれているからにほかならぬ。

私の記憶のなかでは,この絵はずっと存在している。つまり,この絵が描かたのは,5年前や10年前というレベルではなく,40年くらい前のことかもしれない。そもそも「オバケのQ太郎」が登場したのは,1960年代半ばのこと。当時,もっとも新しい,そしてもっとも人気のあったキャラクタが,この壁に描かれたということなのだろう。それにしても,まったく色あせたようすがないということは,そのあとも定期的に描きかえられていることに相違ない。
 こちらの壁面にもキャラクタたちが描かれているが,こちらは以前にはなかったものと思う。

「キケン」
 この上にのぼらないでください
 「ザクロ」をとらないで

という貼り紙が,Qちゃんの顔のど真ん中に貼られているのは,いかがなものか。顔のすぐ横に貼って,Qちゃんがそう呼びかけているようにしてもよさそうなものなのに。
 昨今,「知的財産権」というものが強く意識されるようになってきている。たとえば,マンガのキャラクタも,知的財産の1つとして保護されるものとされており,勝手に利用すると知的財産権を侵害したとされてしまう。これらの壁面に描かれたキャラクタのそばに,著作権表示や使用許諾を得た旨の表示は見られない。これによって権利者がなんらかの侵害を受けているわけでもないだろうから,黙認されているような状況なのだろう。そもそも権利者も,こんなところに描かれているとは知りえないはずだ。

天気がよいのでふらふらと,なつかしい場所に足を運んだだけなのだから,細かいことを考えるのはやめておこう。


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