撮影日記


2009年06月30日(火) 天気:あめ

リコーフレックスはコンパクト

2009年6月20日の日記で紹介したKW社のピロート・スーパーは,6×6判の一眼レフカメラである。そのしくみが簡素なせいか,非常にコンパクトである。6×4.5判の一眼レフカメラであるゼンザブロニカETRSとくらべれば,そのコンパクトさは明白になるだろう。

二眼レフカメラの魅力としては,6×6判の正方形の画面や,お辞儀するような姿勢で撮影できるウエストレベルファインダーの存在が指摘されることが多い。それ以外に,一般的な中判一眼レフカメラにくらべて,小型で軽量な点を指摘する人もあるだろう。
 そんな二眼レフカメラも,何機種か並べてみると,微妙に大きいものがあったり小さいものがあったりする。たとえば,ローライフレックス・オートマットとくらべれば,マミヤフレックスはやや大きく,リコーフレックスはやや小さいことがわかる。

リコーフレックスは,プレス加工によるボディをもつカメラで,どちらかというと低価格を優先した製品であるといえる。低価格の要因としては,ボディのほかに,簡素なシャッターや前玉回転式というシンプルなピント調整のしくみを採用していることがあげられるだろう。もちろん,効率的な生産をおこなえるようにしたメーカーの努力があることも忘れてはいけないが,それは製品の価格以外の仕様などに,特徴としてストレートにあらわれるとはかぎらない。
 リコーフレックスは,低価格を特徴とするカメラだったが,リコーフレックスVII型には,当時としては高級シャッターであるセイコーシャ・ラピッドを搭載したものがあった(2007年8月16日の日記も参照)。セイコーシャ・ラピッドは,1秒から1/500秒までの範囲をカバーしている。通常のリコーフレックスVII型のシャッター速度が1/100秒前後の3段階くらいしか使えなかったことにくらべれば,撮影可能な領域が大きく広がるものであった。

シャッター速度の幅が,とくに低速側に広いことは,うす暗い曇り空の日の撮影において,十分に絞っての撮影ができるということである。

RICOHFLEX VII, RICOH ANASTIGMAT 8.0cm F3.5, REALA

リコーフレックスのレンズは3枚構成であり,決して高級品ではない。また,前玉回転式のピント調整は,撮影距離によって描写が異なり,その精度もややあやしいところがある。そのせいか,周辺部はもちろん,中心付近でもやや甘い描写になっているが,被写体の立体感が不自然なく出ていることには,好感がもてる。

RICOHFLEX VII, RICOH ANASTIGMAT 8.0cm F3.5, REALA

一方,日差しの強いときには,1/500秒までの高速シャッターに対応している点が,心強い。日陰の部分も,それなりに再現されている。四隅が暗くなっているのは,イメージサークルが6×6判を十分にカバーしきれていないということだろう。
 ともあれ。
 一般的に小型な二眼レフカメラのなかでも,とくに小型軽量なリコーフレックスVII型。それに,セイコーシャ・ラピッドを搭載したモデルであれば,とても実用性の高い中判カメラになるということである。


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