撮影日記


2009年06月13日(土) 天気:はれ

謎の黒い小さな箱

この週末は,急遽,東京への出張となる。今回は少し時間ができたので,中野のフジヤカメラにも寄ってみたのだが,とくにこれと言って気になるものはなかった。フジヤカメラのジャンク館に商品は豊富にあったものの,冒険するには勇気の必要な価格がつけられていた。これでは,おもしろくない。
 そして今日は,所用あって,大阪。用を済ませた後,梅田へ。まず立ち寄るのは,八百富写真機店のディアモール店。値札に「主婦の友I」と書かれた「マミヤシックス」(2009年5月17日の日記を参照)が,どうしても気になるのだった。
 さっそくお店を覗く。例の「マミヤシックス」が見当たらない。ショーウィンドウを隅々まで探してみると,奥のほうの目立たない位置に移動していた。店員さんに声をかける。

「あのマミヤシックスは,どうして『主婦の友』なんですか?」

「たぶん,主婦の友社で使われていた備品じゃないかと思うんですけどね。」

ショーウインドウから取り出されたマミヤシックスの裏側,下のほうに,くっきりと「主婦の友1」という刻印がされていたのである。「主婦の友社」で発行される書籍等に掲載された写真を撮ってきた,そんな備品なのであろうか?
 カメラをよく見ると,貼り革があちらこちら剥がれてなくなったり,浮いて剥がれそうになっていたりする。「マミヤシックス」のどのモデルなのかまでは確認しなかったが,もっとも新しいモデル「マミヤシックス オートマット2型」だとしても,それは1958年発売なので,50年以上前のカメラである。50年以上前に業務用として使われていたのなら,それなりに外観がくたびれていてもしかたのないことだ。
 レンズは,ズイコーが搭載されていた。「マミヤシックス」に搭載されているズイコーは,白く濁ってしまっていることが多いようだが,このカメラにはそのような症状は目立たないようだった。
 ちなみに,価格は4,500円だったか。動作にさほど問題なく,値段の安さが外観の傷みによるものであれば,もしかするとお買い得かもしれない。

この「マミヤシックス」については,あとでもう一度,ちゃんと吟味することにして,いったんお店を出た。次に向かうのは,大阪駅前第1ビルにあるマルシンカメラ。いつものように,ジャンク品をあさってみる。
 まず最初に気になったものは,ミノルタSR-1。少し錆も見られるものの,いちおう動く状態のもので1,050円。ミノルタSRシリーズはとくに珍しいカメラではないが,まだもっていないのでこの機会に入手しておいてもいいかもしれない。今日,救出する候補の1つにしよう,と考えた。しかし,そうなると「お似合い」のレンズもほしくなる。すくなくとも,New MDレンズなんかは似合わない。最低でも,MC ROKKORレンズがほしい。ところが,価格や状態が手頃なレンズが,ジャンクコーナーには見あたらない。

そうこうするうちに,レンズ付きのペトリの一眼レフカメラを見つけた。こちらは1,575円。
 そういえば,ペトリもミランダももっていない。この時代の一眼レフカメラも一通りはもっておきたいものの,とくにペトリは故障しやすいらしく,まともな状態のものを手頃な価格で見つけることはあまりない。
 実際,見つけたペトリも,やはり動作はおかしいようだった。ときどきは動いたんだけどねえ・・・・。まあ,ジャンクコーナーにおいてある商品だから,動作がおかしいのも当然か(笑)。

少し奥へ行くと,こんどは「AF RIKENON 50mm F2」を見つけた。
 このレンズ,実物を見るのは,はじめてである。Kマウントの標準レンズであるが,ジャスピンコニカのようなセンサーがついていおり,Kマウントの一眼レフカメラに取りつければオートフォーカス撮影ができるというものだ。一眼レフカメラ用に市販された,はじめてのオートフォーカスレンズだと聞いている。しかし,どうやら電子回路がおかしくなっているようで,オートフォーカスが動作しない状況である。
 このような歴史的に意義のある製品は,ぜひとも保護しておきたいところだが,さすがに保護することはためらわれた。
 なぜならば,そのすぐとなりで,なにやら古めかしい,黒い箱が強烈なオーラを放っていたからである。

片面に,蓋らしきものがある。指をかけてみると簡単に開いた。どうやらピントグラスになっている。

反対側も蓋になっているようだが,すきまに指をかけても開かない。というか,そもそも指をかけるための突起やくぼみ等が存在しない。ここは,どうすれば開くのだろうか?その箱の周囲を,注意深く眺めてみることにした。(つづく)


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