撮影日記


2009年03月01日(日) 天気:晴れ

作品を見ると影響を受ける

広島市現代美術館のきっぷをいただいたのだが,いつものようになかなか訪れる時間をとることができないでいた。今日は,いただいていたきっぷ「特別展 ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」の最終日。午後になってようやく,訪れることができたのである。
 ・・・という具合に書きはじめるのは,いったい何回目であろうか(笑)。

展示作品のなかで,もっともおもしろかったものは,「レイン・レインズ」というもの。
 天井から多数のブリキのバケツが吊り下げられており,それらは底に小さな穴が開けられている。そこからは,ぽつりぽつりと水滴が落ち,下でブリキのバケツで受け止められる。
 バケツによって,水滴の落ち具合が異なる。かなりの間をおいて,「ぽつり。ぽつり。」と落ちるものもあれば,足早に「ぽつ。ぽつ。ぽつ。ぽつ。ぽつ。」と落ちるもの,連続的に「ぽ。と。と。と。と。と。と。」と落ちるものなど,それぞれに個性が与えられているようだ。
 だから,その中央付近に立って目を閉じると,まさに四方から水の落ちる音が聞こえてくる。やがて,1つ1つの個性が聞き分けられるようにもなってくる。

これ,おもしろいじゃないか。

吊り下げられたバケツの水がなくなったら,はしごを登って,下のバケツにたまった水を,上のバケツに移すようである。この展示は地下の展示場にあったのだが,上の階からこの展示を見下ろすこともできたのだ。そのときちょうど,美術館の方が,水を移す作業をしておられたのである。

ちなみに,外はいい天気。比治山へあがるための「スカイウォーク」は,まさに光に包まれるがごとく状況である。

午前中は,西区民文化センターで催されていた「ひろしま 横川芸術祭 2009」の展示に立ち寄った。以前,「新・広島お気軽写真クラブ」の第4回写真展(2007年10月20日,21日,23日の日記を参照)にご来場いただいた方も出品されるとのことで,ぜひ見ておきたかったものである。
 「ひろしま 横川芸術祭 2009」は,写真だけではなく,絵画や書の展示や,映画の上映,音楽の演奏なども含まれた大規模なものであった。
 件の方の場合,展示場所として「壁面」を割り当てられなかったからとのことで,作品は床面に並べた状態での展示である。しかし,そのなかでさまざまな工夫がなされている。具体的なものには,地面に散った花の写真が実際の花びら(造花?)に埋もれるように置かれたものがある。また,透明なビニル傘にさまざまな写真を貼りつけたものもおもしろかった。その傘は,青いシートの上に置かれており,さらにその青いシートにはところどころに白い綿が置かれている。ちょうど,透明な傘を通して,青空を見上げるような形になっている。これらはいつか,「マネ」してみたいものである。
 別の人の作品では,ペンギンの絵が描かれたスケッチブックをさまざまな場所において撮影したものがおもしろかった。これを見た私は,「関係ない椅子(*1)」(2004年10月14日の日記を参照)の撮影を再開しなければ・・・と思うのであった。

ともあれ,他人の作品を見ることは,自分もなにか作らなければならないという思いを強くさせてくれるものである。

*1 http://www.awane-photo.com/gallery/d02/


← 前のページ もくじ 次のページ →