撮影日記


2009年01月12日(月) 天気:雪のち晴

ハーフサイズは撮り終わらない

広島市現代美術館のきっぷをいただいていたのだが,年末から年始にかけてはいろいろと所用あり,なかなか訪れる時間をとることができないでいた。今日は,いただいていたきっぷ「第7回ヒロシマ賞受賞記念 蔡國強展」の最終日。ようやく,訪れることができたのである。

蔡國強は,北京オリンピックの開会式ならびに閉会式で,視覚・芸術監督をつとめていたことでも,よく知られているだろう。北京オリンピック開会式のテレビ中継で見られた,花火によって表現された「巨人の足跡」が会場に近づくようすを強く記憶にとどめておられる方も,多いと思う(あの映像がCGによる合成であったということが問題視された点でも,強く印象に残っている人も多いと思う)。このように蔡國強は,おもに火薬を使った創作活動を展開しているとのこと。会場で上映されていたビデオでは,重機を使った大がかりな準備のようすなども紹介している。
 別のフロアでは,火薬ドローイング(紙の上で火薬を燃やすことにより,墨絵のような絵をつくる手法とのこと)による天地4m,左右45mの巨大な作品が展示されている。その手前には,半円状の池もつくられており,描かれた絵がその水面に反射する。室内に設けられた浅い池だから,水面に波はほとんどたたず,まさに鏡のようにその絵を反射する。そこには,水墨画の世界と現実が奇妙に融合した,不思議な空間がつくりだされていた。
 これも含めて大がかりな作品が展示されていたものの,作品の「数」としてはきわめて少ない(^_^; 1つ1つの作品はそれなりにおもしろかったものの,全体として今ひとつ物足りないという印象は否めない。

画像は携帯電話機のディジタルカメラ機能による。

広島市現代美術館から横川の方へもどるには,いくつかの交通手段が選択できる。
 もっとも「楽」なのは,「比治山スカイウォーク」というエスカレータ(2008年1月27日の日記を参照)で山をくだり,SATYの近くのバス停から横川駅行きの広島バスに乗る方法であろう。これだと,ほとんど歩く必要はない。ただし,短所もある。それは,このバスの便がきわめて少ないことだ。このバスは,広島バス23系統「横川駅←→大学病院」(横県線)の一部を比治山トンネル経由とした23-1系統である(*1)。休日の夕方であれば23系統が1時間あたり5便くらいあるのに対し,23-1系統は1時間あたり2便くらいしかないのである(*2)。バスの通過時刻を把握していなければ,かなりの待ち時間を強いられる懸念がある。
 広島電鉄の路面電車に乗る方法もある。ただし,広島市現代美術館の最寄りの電停である「比治山下」からは,「横川駅」へ直通する系統がなく,途中での乗り換えが必要になる。その乗り換えも,的場町と紙屋町,あるいは皆実町六丁目と広電本社前のように,2回おこなわなければならない。面倒なうえに,時間もかかる。トータルの所要時間では,広島バス23-1系統を待つのと大差ないかもしれぬ。
 少々,歩く距離が長くなるが,比治山をくだってからそのまま京橋川に沿って歩き,「稲荷町」電停から電車に乗れば,乗り換えが1回で済むし,的場町で乗り換えることを考えれば,所要時間の面でも大差ないと思われる。

そこで,散歩がてら,稲荷町まで歩くことにした。
 まだフィルムが残っている,京セラ「SAMURAI」とコダック「STEREO CAMERA」が散歩のおともである。少しは日が長くなったようで,ちょうど低い光線が建物の窓を輝かせており,印象的な光景に出会えそうな期待もある。
 京セラ「SAMURAI」のフィルムカウンタは,まだ40くらいを示している。装填しているフィルムは36枚撮りなので,まだまだ先は長い。一方のコダック「STEREO CAMERA」は,昨日の「とんど」の際に残っていたフィルムを使い切り,さらに次のフィルムを装填して,それが残っている状態である。撮影できるのはあと数コマであろうから,まずはコダック「STEREO CAMERA」の方を優先的に消費する。
 結局,そのまま広島駅まで歩き,すなおにJRで横川へ向かうことにしたのであった。

京セラ「SAMURAI」のフィルムカウンタは,まだ50に達していない。

*1 http://www.hirobus.co.jp/line/23_26_2.html

*2 http://www.hirobus.co.jp/line/schedule/23/23_byoin_kudari.pdf


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