撮影日記


2009年01月01日(木) 天気:曇のち雪ときどき晴

信貴生駒スカイラインからの眺め

謹賀新年

旧年中は,「撮影日記」をご愛読賜りましたこと,厚く御礼申しあげます。
 本年も,引き続きご愛読賜りますよう,よろしくお願い申しあげます。

今年は「丑(うし)年」。
 動物をあらわす漢字でも,「牛」や「馬」という漢字にはケモノヘンがついておらず,「猪」「猿」という漢字にはケモノヘンがついている。これには,どのような違いがあるのだろうか?
 その違いは,文字の起源にある。
 「牛」や「馬」という漢字は,実物の形をもとにつくられた象形文字が起源である。それに対して「猪」や「猿」という漢字は,それぞれの「読み」とケモノであるという「意味」を組み合わせてつくられた文字である。これが,動物をあらわす漢字でも,ケモノヘンがついているものとついていないものがある理由の1つになるだろう。

今年も年賀状が送られてきた。年賀状には「2009年 元旦」「平成二十一年 元旦」という文字が書かれているものも多い。ところで,「元旦」と「元日」にはどのような違いがあるのだろうか?
 ポイントは,「旦」の下にある「_」である。
 「旦」という文字の形を見れば,「_」の上に「日」がある。「_」を地平線であるとみなせば,地平線から「日」が出てきた状態,「日の出」をあわらす形になっていることが理解できるだろう。
 すなわち「元旦」とは,「元日」の「早朝」だけをさす言葉である。これもケモノヘンの問題と同様に,漢字の意味を考えるときには「形」を想像するとわかりやすくなるケースの1つということだ。
 なお,漢和辞典を参照すれば,「旦」には「日の出」という意味のあることが確認できる。ちなみに,対語は「夕」,類義語は「朝」。

ということで,今年の「元旦」は,初日の出を拝むこともなく,寝て過ごしたことになる(笑)。初詣にでかけたのは,すっかり「日」が高くなってからのこととなった。
 例年,初詣には,叡福寺へお参りしている。磯長山叡福寺は,大阪府南河内郡太子町にある。叡福寺は,聖徳太子の墓所があるとされていることで有名なお寺であり,ここまで書けば地名の「太子町」は,聖徳太子の名に由来するものであることは容易に察しがつくことであろう(*1)。町内にある横断歩道や交差点などには,ランドセルを背負った聖徳太子(旧1万円札等でよく知られている肖像を連想できる姿をしている)が立っているので,クルマで走っていても「あ,太子町に入ったんだな」ということにはすぐに気がつくはずだ(笑)。

この写真は,1998年3月に撮影したもの。

なお,「あれは聖徳太子の肖像ではないという説も有力だ」などという野暮なことは,新年早々言ってはいけない(笑)。

叡福寺のお参りを済ませての帰路,奈良県に入って北上し,信貴生駒スカイラインを走ってみることにした。生駒山上遊園地は冬期休業期間にはいっており,また今日は天気もいまひとつなせいか,信貴生駒スカイラインを走るクルマは多くない。
 低地では少し雨模様だったが,山の上はみごとに雪である。路面に積もったり凍結したりするような状況ではないが,風もあるのでけっこう吹雪いているように感じられる。このような天気では,せっかく高い通行料金を支払って,せっかく高いところまでクルマを登らせてきたのにもかかわらず,大阪平野を眺望することは,かないそうにない。
 それでも見晴らしのよい駐車場に到着したころには雪もやんでおり,少しずつだが晴れ間も覗きはじめていた。かなり西に低くなってきた太陽が,遠くの海を輝かせている。こうして「元日」は,無事に終わった。

画像は携帯電話機のディジタルカメラ機能による。

*1 http://www.town.taishi.osaka.jp/taishi/index.html


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