撮影日記


2008年12月21日(日) 天気:雨

やはり年末はプリンタ受難の季節

EPSONのPM-670Cという安価なプリンタを使っていたが,最近,プリント出力結果に筋が目立つようになってきた。ヘッドのクリーニング機構をはたらかせても,一向に改善されない。ついには,Yが出なかったり出すぎたり,まったく使用に堪えない状況になってしまった。
 PM-670Cを購入したのは,発売後,あまり経過していないころだったと思うので,10年近く使っていることになる。廉価版プリンタとしては,けっこう丈夫な製品だったということだろうか。そうはいっても,さすがに,そろそろ買いかえた方がよさそうだ。
 じつは,「ふちなし印刷」ができないことで,ずっと前から買いかえたいと考えていたのだが,どうにも丈夫で,買いかえるだけの決断ができないでいたのだ(笑)。

PM-670C

ということで,プリンタを買いかえることにした。ただし,年賀状をつくらねばならないので,事態は急を告げている。のんびりと商品を吟味,選定している余裕はない。
 まず,候補として考えたものは,8色顔料インクを使用するタイプのものである。出力サイズは,A4判で十分だ。というか,それよりも大きなプリンタを置く場所を確保することは困難である。販売店で該当製品をさがすが,プリンタ売り場で目立つ位置を確保している製品は,イメージスキャナ等が組みこまれたいわゆる「複合機」か,価格最優先の廉価版モデルばかり。めざす製品は,そういう売り場の裏手にひっそりと展示されている。
 EPSON PX-G930が,該当する製品のようだ。価格を見ると,いわゆる複合機EPSON EP-801Aの方がかなり安いじゃないか。複合機の多機能さによるおもしろさと価格の安さは,とても魅力的に思われるのである。複合機の出力結果が十分だと感じられれば,それでいいじゃないか。と,割り切ることにした。

フィルムを買っておくついでもあったので,まずは,ビックカメラ(ベスト広島店)を覗いてみることにした。
 EP-801Aの説明をしている人は,コンパクトディジタルカメラからいかに簡単にプリント出力ができるかを熱心に訴えている。PCを起動させなくても,メモリカードに記録された画像を簡単に出力できるのは,たしかに便利そうだ。
 実際に試し撮りおよび出力をしてくれたのだが,あまりに色がおかしい(笑)。実物の色よりも,かなり派手で鮮やかである。もっともこれは,プリンタのせいというよりは,コンパクトディジタルカメラのほうに原因がある可能性も高い。それより気になったのは,試し撮りしてくれた画像に写った顔に,インクジェットプリンタ特有の「ぶつぶつ」が目立つことである。
 「これは,標準的な画質のモードですか?それとも高画質モードですか?」
と質問してみると,
 「自動です。」
という。おい,質問の答えになってないだろ!
 「出力のときに,標準とか高画質とか選べるんでしょ?」
 「選べます。」
 「これは,標準画質ですか?高画質ですか?」
 「自動です。」
 「いやだからこれは,高画質なのか,標準画質なのかが知りたいんですが。」
 「ええっと,標準ですかね・・・・。」
 「PX-G930と比較検討したいのですが,まずはこれ(EP-801A)の高画質モードでも出力してもらえませんか。また,できれば同じ画像をPX-G930でも出力してもらえるとありがたいのですが。」
 「それは私では対応できません。」
 PX-G930での出力は,まあ準備していないのなら無理だろう。しかし,EP-801Aの高画質モードでの出力は,見せてくれたっていいじゃないか。なんか,逆ギレされたような気がするが,ま,いいか。

ビックカメラでの買い物をデオデオカードで払うのもなんか変な感じがするので,つづいてデオデオ(紙屋町本店)も覗いてみることにした。
 こちらでも,EP-801Aとそれをさらに改良したとされるEP-901Aを並べたところに説明の人がはりついて,それらの多機能性や使いやすさなどをさかんにアピールしている。その説明を一通り聞かせていただいた後,ビックカメラでは教えてもらえなかったことを聞いてみた。
 「この出力見本は,標準画質ですか?」
 「標準です。」
 「高画質モードだと,どうなりますか?」
 「そうですね,出力時間なども気になるでしょうから,ちょっとやってみましょうか。」
そして,「ここをこうやって,ああやって」と自分自身も操作手順を確認するかのように説明しながら,同じサンプル画像から標準画質のものと高画質のものとを出力してくださった。「買っていただくからには,やっぱり納得してもらわなけりゃいけませんからね。」とも言いながら。
 高画質モードで出力されたものは,気になる「つぶつぶ」は目立たないものになっていたので,8色顔料インクのPX-G930は見送り,すなおに6色染料インクの複合機EP-801Aを購入することに決めたのである。

EP-801A

ちなみに,ビックカメラのチラシに掲載されていた価格は29,980円にポイント還元10%だったのだが,店頭に示されていた価格は,27,500円にポイント還元22%となっていた。一方のデオデオの店頭では,27,500円にポイント還元3,000円分となっていた。これは互いに,販売価格等をさぐりあい,競った結果であると思われる。これくらいの価格差であれば,すなおに慣れたお店で買いたいものだ。なお,実際にはデオデオでは「ポイント還元3000円分」ではなく,「販売価格3000円引き」で処理された。その際,たまっていたポイントも使うことにしたため,実質的には20,000円も払わずに済んでいる。

さて,EP-801Aにはさっそく,年賀状の出力でがんばってもらうことになった。
 2段の給紙カートリッジは,用紙の補給やセットが楽でありがたい。PM-670Cにくらべれば,出力も速く,なんといっても静かである。出力にストレスがない。買いかえて,とりあえず「よかった」と感じている。

そういえば,以前,同じようなタイトルの日記を書いたことを思い出した。さがしてみると,1997年12月30日「年末年始はプリンタ受難」である(「撮影日記」のバックナンバーを参照)。読み返してみると,あのころは10MB程度のコンパクトフラッシュメモリーに,16000円も払っていたことがわかる。まさに隔世の感。それだけ時代がかわっても,やはりプリンタは,年末に壊れるものなのである。
 年賀状の力は,偉大なり。


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