撮影日記


2008年11月05日(水) 天気:曇

「猪上らず」で紅葉を見る

2008年11月3日の日記のつづき。

三段滝と餅ノ木の中間あたりに,「玉緒滝」「猪上らず(ししあがらず)」と名づけられている場所がある。
 遊歩道を歩いていると,「玉緒滝」と書かれたプレートが目に入るはずだ。そこにある滝は,高さはあるものの水量が少なく,今ひとつ印象の薄い滝である。ただ,岩にさまざまな落ち葉がうまい具合に貼りついてくれれば,絵になることと思われる。
 「玉緒滝」のところで餅ノ木の方に目をやれば,水が白く激しく流れているのが見えてくる。そこが,「猪上らず」と名づけられた場所である。「獅子上らず」の下流は,川幅が少し広くなっている。そのとき,気がつくはずだ。そこから周囲の紅葉が美しく見えることに。

今回は,4×5判のフィルムを10枚(ホルダ5枚)を用意しておいた。三段滝,丸淵,猪上らず,青立などの場所で,それぞれ2枚くらいずつ撮るつもりだったのである。
 しかし,三段滝での紅葉の具合は,思ったよりもよかった。1か所で2枚ずつなんて潔いことは,私にはとてもできなかったのである(笑)。予定よりも使い過ぎてしまっていたので,もう手元にフィルムが残っていない。
 まあ,そうなることもあろうかと,予備のホルダとフィルムはクルマに用意してある。クルマまで戻り,チェンジバッグでフィルムを装填すれば,撮影を続行できる。しかし,このあと予定があるので,撮影準備にあまり時間をかけたくない。
 ということで,フィルムを準備するかわりに,TACHIHARA Fielstand45のシステムをMamiya Universal Pressのシステムにもちかえることにした。荷物は少し重くなるが,ロールフィルムは装填も容易であり,慣れたシステムであればテンポよく撮っていくことができるというもの。

ふたたび玉緒滝のところまで行き,「猪上らず」を下流側から眺めてみると,いい具合に背後の山々が紅葉している。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, E100VS

さらに三段滝の方に行った丸淵付近の紅葉も,状態がよく見えたのでとても気になる。だが,あまり時間がないので,今年はあきらめる。この玉緒滝付近での撮影に集中することにしよう。
 こんどは,「猪上らず」の方から,玉緒滝付近の遊歩道を振り返ってみよう。この向きでも,いい具合に紅葉しているようすが見える。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 75mm F5.6, E100VS

三段滝より下流側にくらべるのはもちろん,樽床ダムから三ツ滝や竜門あたりとくらべても,このあたりは入峡者が少ないように思われる。峡谷の深さや,奇岩の類の面ではたしかに変化が少ないが,紅葉を楽しむには適したところだと,私は思っている。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 100mm F3.5, E100VS

← 前のページ もくじ 次のページ →