撮影日記


2008年11月03日(月) 天気:曇

三段峡へ紅葉を撮りに行く

昨日まで1泊2日で訪れた小豆島では,高い山でも紅葉にはまだ少し早い状況であった。一方,ここ数年の傾向では,三段滝付近での紅葉の見ごろは「11月3日」くらいと考えて,ほぼ間違いなさそうである。昨年,一昨年と,三段峡の紅葉にはごぶさたしていたので,今日はぜひとも訪れてみようと考えた。
 最近,写真を撮りに行く機会が減少しているため,フィルムの消費も進まない。とくに,買い置きしていた4×5判フィルムの期限が危ない状況になっている。いつも三段峡には,Mamiya Universal Pressのシステムをもって行くのだが,今日は,4×5判フィルムの消費にもはげもうと思うところ。
 そうなれば,TACHIHARA Fielstand45の出番となる。

今年,おもな撮影対象にしようと考えたのは,三段滝である。三段峡で紅葉を撮る場合,三段滝は定番だ。とくに,滝の正面の展望台から撮る写真は,定番中の定番と言えるだろう。
 せっかく来たのだから,だれも来ないうちに撮っておこう。

TACHIHARA Fielstand45, FUJINON 90mm F5.6, E100VS

さて,本番はこれからだ。
 今日は,展望台以外の場所から,三段滝の紅葉を撮ろうと考えていた。
 まずは,展望台を降りたところから。ここからだと,展望台よりも滝に近い。また,低い位置から見ると滝の高さが強調され,迫力が増して見えるもの。さらに,この位置から展望台の方を見れば,切り立った岸壁がまた迫力満点なのである。
 しかし,この位置でカメラを構える人は少ない。
 なぜだろうか?その答えは,簡単。ここからでは三段滝の下段しか見ることができない。三段滝が三段に見えないのだから,「これが三段滝の写真です」とは言えなくなるわけだ。
 そもそも,現在の展望台は,「三段滝がもっとも美しく見える場所」につくられたとされている。だから,「三段滝のきれいな写真」を撮りたければ,展望台から撮るべきなのである。
 ただ,そんな写真ばかりじゃ「おもしろくない」じゃないか。

TACHIHARA Fielstand45, FUJINON 150mm F5.6, E100VS
TACHIHARA Fielstand45, FUJINON 150mm F5.6, E100VS

三段滝の方へのぼり,遊歩道から少しおりると,三段滝の下段の上に出ることができる。ここから展望台の方を見ると,深い峡谷に紅葉が覆いかぶさるようで,ひときわ美しく感じられる。しかし,ここまでにかなりの時間を使ったせいか,すでに展望台には,三脚を立てた人たちの姿がちらほら見える。
 さすがに,そのまっ正面で,三脚を立てるだけのずうずうしさは,持ち合わせていない。
 三段滝に早朝に着いたら,他の人が来る前に,まず三段滝の方からの写真を撮っておくべきだった,ということだ。
 しかたがないので,茂みや岩に隠れるようにして,三段滝の上段と中段を切り取ってみることにする。

TACHIHARA Fielstand45, FUJINON 150mm F5.6, E100VS
TACHIHARA Fielstand45, FUJINON 210mm F5.6, E100VS

さて,自分は茂みに隠れているつもりでも,展望台にいる人たちからはもしかすると見えていたかもしれない。ブーイングを浴びせられる前に,早々にそこを立ち去ることにしよう。
 私が立ち去った後に,そこへおりて行く人の姿が視界の隅にはいってきた。
 三段滝を訪れる人は,写真を撮りにくる人ばかりではない。いや,写真を撮るのが目的で三段滝を訪れる人は,ごく少数派のはずだ。私が身を潜めていた場所は,滝を間近で見ることができる場所である。「きれいな三段滝の写真」を撮るには適さない場所だが,ハイキングなどで訪れた人が休憩するには適当な場所に感じられるのであろう。


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