撮影日記


2008年10月26日(日) 天気:曇ときどき雨

駅弁はボックスシートで食べたい

今日は,小倉に出張。往路はすなおに新幹線「ひかりレールスター」を利用するが,復路はどうしようか,少し迷った。なぜなら,仕事が終わるのは17時の予定。なんだかんだ言っても,小倉駅を18時には出発できるだろう。だから,選択肢はいろいろ考えられる。
 もっとも素直な選択肢は,新幹線で「ひかり」か「のぞみ」に乗ることだ。これだと1時間もあれば,十分に帰ることができる。さっさと帰宅して夕食後に報告書でも書いておけば,あとは寝るだけだ。「ひかり」や「のぞみ」は,小倉から乗ると,混んでいるかもしれない。そうであれば,「こだま」に乗るというのも,有力な選択肢だ。「こだま」を使うと小倉から広島まで1時間半くらいかかる。この所要時間は,報告書を書くのに手ごろなので,好都合である。どうせなら,今が「旬」の0系「こだま」を狙うのもおもしろそうだが,「鉄」な人がそれを狙って乗りこんでくると車内が混み合うだろう。それも避けたい。
 ほかの選択肢としては,高速バスがある。ただ,広島行きの高速バスは,小倉始発ではなく,博多始発である。また,小倉駅のバスターミナルには乗り入れてこず,小倉駅から路線バスで30分以上かかる,小倉南インターまで乗りにいかなければならない。はじめて利用するには,少々リスクを感じる選択肢だ。
 となれば,すなおに在来線の普通電車を乗り継いでいくのがいいだろう。少々時間はかかるが,夜間になれば電車はかなり空いてくることが期待できる。ノートPCで出張の報告書を作成するだけでなく,駅弁を食べながらのんびり移動するのも,ちょっとした旅行気分になれて楽しいだろう。

と,期待して,小倉駅の在来線ホームに立った。
 車内で食べる予定の駅弁は,小倉名物「かしわめし」である。
 当然の選択だろう。

JR九州と,広島近辺のJR西日本では,電車のシステムが少し違う。九州では,交流20000Vを架線から供給しているのに対し,広島近辺では直流1500Vが供給されている。小倉駅にあらわれた下関行き電車は,交流区間も直流区間も走ることができるタイプのもので,いまは広島近辺までやってくることはない車両だ。システムは異なる車両であるが,外観は国鉄時代の標準的な電車で,片側に扉が3個所あり,車内はボックスシートと窓を背にして座るシートが交互に配置されたもののはずである。
 ところが,乗ってみて驚いた。車内はみごとに,すべて窓を背にして座るシートに改装されていたのである。これでは,「旅の雰囲気」が味わえないではないか。しかも,夕方の車内は,かなりの混雑を見せてくれる。この電車に乗るのは下関までだから,少しの間だけガマンするしかない。


小倉から下関行きに乗る

下関からは,新山口行きの電車に乗り換えるようになっていた。
 この区間では,以前,京阪神地区で新快速電車として使われていた2人掛けシートの車両も運用されているとのこと。2人掛けシートでは「旅の雰囲気」は多少薄くなるものの,その車両は乗り心地よいと感じるので,これがくれば歓迎である。
 しかし,下関駅に入ってきたのは,やはり窓を背にして座るタイプの座席の車両であった。


下関から新山口行きに乗る

これで,新山口から乗る列車が,やはり窓を背にして座るタイプの車両だったら,私は暴れていたかもしれない(笑)。幸いにも,ようやく,ボックスシートの車両に乗ることができた。
 混雑している列車であれば,向い側に座る人が気にならない2人掛けのシートが落ち着くのだが,空いている列車であれば,4人掛けボックスシートが楽である。まず,ボックスを1人で占められるような場合は,とにかく空間を広く使うことができる。また,在来線普通列車の場合,2人掛けシートの車両には,上着をひっかけるフックがない。上着の必要な季節には,このフックは必須である。4人掛けボックスシートには,テーブルもあればフックもある。
 日曜日の夜だからだろうか,車内は空いている。途中の駅での乗り降りは見られるものの,どのボックスも,つねに1人か2人しか座っていない状態だ。窓際についた小さなテーブルにお茶をおき,小倉で購入した駅弁を食べる。「旅の雰囲気」満喫である。


空いているボックスシートは快適だ

小倉から広島までの所要時間は,新幹線なら1時間ほど短いものである。在来線の普通電車だと,4時間少々。ちょっとした旅気分を味わうには,手ごろな時間といえるだろう。明るいうちに乗るならば,車窓の景色も楽しむことができただろう。また,今日は雨が降り出しそうなぐずついた1日で,日没も早く,せっかく用意したPENTAX auto110 (18mm F2.8と50mm F2.8) の出番もなかったのであった。
 なお今回の行程では,乗り換えの工夫のようなものは,まったくない。

画像はすべて,携帯電話機のディジタルカメラ機能による。


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