撮影日記


2008年08月06日(水) 天気:はれ

RB67でとうろう流しを撮る

RB67用のレンズ,Mamiya-sekor 90mm F3.8をあわてて買ったのは,今日,それを使ってみたかったからである。
 とうろう流しを撮るのは,昨年がはじめてであった。昨年は二眼レフカメラROLLEIFLEXで撮影をおこなった(2007年8月6日の日記を参照)。機材が軽量コンパクトにまとまるため,とうろう流しのような混雑する場でもたいへん扱いやすいというメリットはあるのだが,せっかくだからもっと大きな画面で写してみたくなったのである。ここでMamiya Universal PressやTACHIHARA Fielstand45などを使うことも考えるのだが,撮影ポジションは川沿いのどちらかというと足場の悪いところである。また,川面に浮かぶ,すなわち低い位置にあるとうろうを撮るのであれば,ウエストレベルファインダーがなによりも有利であると考えた。
 だからこそ,この場でRB67を使ってみたかったのである。

昨年は,21:00前に平和公園を訪れた(2007年8月6日の日記を参照)。そのせいか,川沿いもあまり混雑していなかった。今日は,まだ明るいうちに平和公園に行ってみたところ,すでに大勢の人が川沿いに三脚を立てている。平日でも日中から時間が取れる方々は,こういうときになにかと有利なようだ。
 そんな場所で,無理に場所取りに参加することはせず,暗くなるまで周辺をぶらぶら歩いてみた。すると,相生橋の上で,原爆ドームの方ではなく,道路の方を向いてカメラを構えている人がいる。電車が通るたびに,なにやらカメラを操作しているようなので,たぶんに「鉄」な人だと思われる。
 私は「鉄」ではないが,電車を撮っている人に影響され(笑),本川町電停西側にある歩道橋に上がって電車を撮ってみることにした。Mamiya RB67 Professional SとMamiya-sekor 90mm F3.8による最初の1カットは,広電の電車になったのである。

Mamiya RB67 Professional S, Mamiya-sekor 90mm F3.8, PRO400

暗くなってきたので,元安橋の方へ行ってみた。川面のとうろうと原爆ドームを1つの画面におさめるには,もっとも無難な場所だと考えたのである。しかし。今日の潮の状態は,引いていた潮が徐々に満ちてくるというタイミング。川の水位は低く,川の流れは下流から上流に向かうものである。そのためか,とうろうが広がらない。そして,とうろうは,どんどんと上流へ向かって流れていく。

Mamiya RB67 Professional S, Mamiya-sekor 90mm F3.8, PRO400

次に,原爆ドームの対岸,正面あたりに場所を移した。ここからだと,相生橋の方へ流れていくとうろうの列を,なんとかとらえることができそうである。
 横にいたご年配の男性は,ディジタル一眼レフカメラにコンパクトな望遠ズームレンズを取りつけて,撮影を楽しまれているようだ。「とうろうが流れる,ブレて撮れない」と,ひとり言のように言うのが聞こえてくる。周囲を見ると,やはり望遠ズームレンズらしきものを使っている人が目立つ。他の人も,同じような「悩み」を抱えての撮影なのだろうか。
 相生橋を電車が通過するのにあわせて,シャッターを切った。で,たしかに,とうろうは流れているので,ブレてしまっているのだが,「流れている」感じが出ているから,これでいいじゃないか。そう考えれば,みんな幸せになれるはず。

Mamiya RB67 Professional S, Mamiya-sekor 90mm F3.8, PRO400

とうろうは,相生橋をくぐって,ずーっと上流へ流れていっている。そして,広島市こども文化科学館あたりの川岸に溜まっているように見える。原爆ドーム周辺での撮影を早々に切り上げて,そちらの方へ移動してみた。とうろうはたしかにそこに溜まっている。原爆ドームなど,特徴的な背景がないので,絵としてはちょっとおもしろくない。

Mamiya RB67 Professional S, Mamiya-sekor 90mm F3.8, PRO400

ちょうど,1本目のフィルムを使い終わった。もう少し時間をつぶし,人が少なくなるのを見計らって,ふたたび原爆ドーム周辺での撮影をしようと考えたところ,遠くで空が光っているのが見えた。どうやら,雷である。もっとも,まだまだ遠いので,あわてる必要はないだろう。また,ここ数日,毎夜のように雷の光が見えていても,北部の山の方では実際に雷雨になっているようだが,広島市内の方ではほとんど雨も降らなかったりすることが続いている。そうは言っても,急に激しい雷雨に見舞われるのも,嫌である。とうろう流しから帰る人が増えて,混雑する時間帯にそれが重なると,もっと嫌である。
 だから,今日は,これで帰ることにした。
 次回は,潮の状態も考慮して,撮り方などを考えて挑むことにしよう。

なお,今日は,GITZO TATALUX435という小型の三脚(2005年1月27日の日記を参照)を用意した。混雑している場では,大型三脚を傍若無人に広げるわけにはいかない。TATALUX435は小型ながら,脚にはなかなかしっかりした安心感が感じられる。安物であっても,さすがはGITZOといったところか。RB67 ProSのシャッターは見た目よりは軽い感じがあり,脚を大きく伸ばさないなら,この三脚でもなんとか耐えられそうである。ただ,TATALUX435とセットのBALLHEAD220は,正直言って使いにくい。撮影を切り上げる気になったのは,これが原因である。うん,そうだ。そういうことに,しておこう。


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