撮影日記


2008年07月21日(月) 天気:晴

まだ開いていた大洲カメラ

久しぶりに,的場町を訪れてみた。マミヤRB67用のレンズとの「よい出会い」があればいいな,という淡い期待を抱いて訪れたのである。しかし,期待は叶わぬものであった。マスヤカメラにはRB67のボディやレンズがいくつかあったが,いずれも価格的に厳しいものだったのである。カメラのミッキーも同様。あとは日進堂カメラにも寄ってみようかとふと見ると,大洲カメラが開いている。閉店したという噂を風の便りに耳にした(2008年4月13日の日記を参照),あの大州カメラが営業しているのである。もしかすると経営者が代わって,別の新しいお店として開店したのであろうか?立ち寄ってみると,紛れもない,あの大州カメラである。しかし,店頭には「閉店セール」という文字が躍り,さらに隅にはその店舗と土地そのものが売りに出ているという表示がなされていた。

お店に入り,店主にご無沙汰を詫びて,事情を伺ってみた。なんといっても,中古カメラの商品力がなくなっているという。ディジタルカメラの普及によって,中古カメラを買い求める人もなく,また,あらたに商品としての中古カメラも入って来にくくなっているようだ。そして,閉店するつもりで店舗と土地を売りに出しているのだが,店を閉めてしまうと店舗を売りにくい。店舗と土地を買いたいという人に応じるために,営業を続けているようなものだ,ということである。
 なにか記念に買っておきたく思ったが,店内に気になる商品はほとんど見られなかった。店主によれば,閉店セールをはじめたころに,めぼしいものはあらかた売れてしまったという。

「ギンレイさんが廃業してからは,どこの店が閉まっても,誰も驚かなくなりましたね。」という店主からは,広島でDPEの価格破壊をはじめたイエローチェーンのことやなど,少し昔の貴重なお話を聞かせていただいた。感謝。感謝。
 それにしても,記念に買っておきたい商品が見つからない。店内のウインドウ内にマミヤZE用の望遠ズームレンズがあったが,前玉に大きなトラブルがある。ジャンクワゴンには,まさにジャンクな不完全な状態ものしかない。カウンタの背後に,α-5700i用の「A/Sモードカード」のケースを見つけるが,中身はないという。

最近,大阪でα-5700iの動くものを,210円で買っちゃいまして・・・。」

「その時代のカメラを,当時10何万円で買ったんだけど,いくらになる?って持ってくるお客さんもおられるんですよ。ただ,今の本当の価格をいうと,たぶん怒り出すでしょうね。だから,その商品はだぶついているから,などと言って持って帰ってもらうしかないんですよね。」

さらに,「デジカメがここまで一気に性能があがり,普及することは,さすがに予想できた人は少なかったんじゃないでしょうかねえ」「デジカメは中古品として扱いようがないですからね」などの店主の言葉になるほどと同意しつつ,結局,なにも買えずに店を出ることを詫びる私であった。
 あ,ショーウィンドウの隅にあった,「POLAROID COLORPACK 82」(1971年ころのポラロイドカメラ)でも連れて帰ればよかったか・・・・。

店を出ると,携帯電話が短い着信音を発した。東京にいる友人からのメールだ。それによると,ディジタル一眼レフカメラを買ったそうである。そして,そのキャッシュバックキャンペーンの金額よりも安い価格で,トヨビュー45Gとアルミトランクを買ったとのこと。いまは,そういう時代なのだ。

画像はすべて,携帯電話機のディジタルカメラ機能による。


← 前のページ もくじ 次のページ →