撮影日記


2008年07月15日(火) 天気:晴

210円でAF一眼レフを楽しむ

八百冨写真機店でジャンク品のEOS100を買ったとき(2008年7月14日の日記を参照),あわせてもう1台,ジャンクカメラを購入した。ミノルタα-5700iである。

ミノルタ α-5700i

八百冨写真機店では,カウンタよりも高い位置に,一眼レフカメラのジャンク品が多数並べられている。そこに並べられているのは一眼レフカメラだけではない。ジャンク品とはいえ概ね1000円以上の価格がつけられたものが並べられている。「金属カメラ」ともよばれるものたちだ。具体的には,オリンパスペンやキヤノネットなどの,レンズシャッターカメラがある。
 そのコーナーの足元には,いくつかの箱があり,そのなかにもジャンクカメラ等が並べられている。「高い位置」と「足元」にはそれなりの「格差」があるようで,「高い位置」のジャンクカメラには概ね1000円以上の価格がつけられているのに対し,「足元」のジャンクカメラには概ね200〜300円くらいの価格がつけられている。
 そんな「足元」に置かれるジャンクカメラの主流は,「プラスチックカメラ」とよばれるようなコンパクトカメラである。ところが今日は,その中に多数の一眼レフカメラの姿が認められた。それが,ミノルタα-5700iだったのである。

ジャンク品として売られていたミノルタα-5700iの価格は,210円である。2100円の間違いではなく,210円である。また,ご丁寧に「故障品」というシールも貼られている。「高い位置」の中には,α-5700iよりも下位モデルであるα-3700iの姿もあるが,こちらはやはり1000円くらいの値段がついている。
 このことから考えられることは2つある。1つは,このα-5700iはほんとうに故障している,まったく動作する見込みがないということである。もう1つは,中古カメラとしてのα-5700iは,下位モデルα-3700iよりも人気がないということである。「足元」の箱の中のα-5700iは1台ではない。どうみても7台はある。同じものがこれだけ大量にあるということは,まとめて処分されたということか。あるいはα-5700iにはなんらかの「欠陥」があり,そのため「完全に故障した個体」が発生しやすいということだろうか。

まあ,210円なので,1つ買ってみることにしたのである(笑)。ジャンク品のEOS100を買うついでもあったわけで。
 どうせ買うなら,少しでもきれいなものを買おうと考えた。しかし,結局,そのなかでもかなり汚い1台を買うことにした。なぜならその1台にだけ,ファインダー接眼部のゴム目当てがついていたのである(笑)。
 帰宅して。EOS100の修理が終わってから,α-5700iにおもむろに電池を入れてみる。電源スイッチをONにすると,ちゃんとLCDに表示が出た。おや,もしかすると動くんじゃないか?α用のレンズを装着してみると,ちゃんと動作しているようだ。AFも問題なさそうだし,露出計等も問題なさそうである。お店としては,動作チェックをしたり,動作保障を考えるのも面倒なのだろう。その面倒を省いて,「故障品」としてジャンク扱いで売ったのかもしれない。

標準ズームレンズを取りつけると,どうやら動いてしまったようだ。

α-5700iにはダイアル等もなく,とてもシンプルである。仕様等を日本カメラショーの「カメラ総合カタログ」で確認してみると,露出モードとして,プログラムAEモード以外にマニュアルモードも用意されているようだ。また,オプションのインテリジェンスカードを装着すれば,絞り優先AEモードとシャッター速度優先AEモードが追加されるらしい(これは探してみる価値がありそうだ)。
 インテリジェンスカードスロットの蓋の内側に「MODE」スイッチがあることを発見した。これでマニュアルモードとプログラムAEモードとを切り替えられる。マニュアルモードにしたとき,シャッターレリーズボタンのそばにあるボタンによってシャッター速度が変更できる。また,レンズマウント部のボタンを押しながら操作すれば,絞りが変更できる。カメラ上部のLCDパネルには,シャッター速度や絞りの値が表示されるが,ファインダー内には合焦表示とフラッシュ表示のほか,露出のオーバーやアンダーを示す▲と▼の表示があるだけである。これならまだ,「− ○ +」表示のニコンF-401の方がマシだ(笑)。F-401ならオプションを装着しなくても,絞り優先AEもシャッター速度優先AEも使えるぞ。
 α-5700iは,どうも中途半端なカメラのようである。α-3700iとちがって,マニュアル露出のようなちょっと凝ったことも可能である。しかし,それはたいへん使いにくい。ただシャッターレリーズボタンを押すだけのようなシンプルな使い方をするなら問題はないが,それなら下位モデルのα-3700iの方が安価でコンパクトで好都合だろう。そのあたりが,実際に,中古カメラとして人気がない要因になっていたりするのかもしれない。
 ただ,フラッシュがポップアップせず,つねに発光部が見えているデザインは,インパクトがあってなかなかよろしい。また,基本が自動発光である点も,エントリーモデルとして適した仕様といえるだろう。フラッシュ内蔵一眼レフカメラで,発光部がつねに見えているものは,あまり多くない。たとえば,ニコンF-401がある。ただ,ニコンF-401は,発光部がつねに見えているにもかかわらず,発光させるには手動でポップアップさせる必要がある。α-5700iの方が,より初心者向けに適切な仕様といえそうだ。


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