撮影日記 |
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2008年07月01日(火) 天気:曇コシナのAFレンズ最近のカメラでは,ピントも露出も,自動的に調整されるのが「あたりまえ」になっている。カメラの歴史は,ダゲールの発明から数えても200年にも達しない短いものであるが,長い間,「ピントや露出のきちんとした写真を撮る」だけでも一定の知識や技術が必要だった。自動的にピントをあわせてくれるオートフォーカスのカメラが商品化されたのは,1977年のコニカC35AF(ジャスピンコニカ)が最初であった。 その後,1985年にミノルタ「α-7000」が登場する。カメラ本体に,測距機構とレンズを駆動するモーターを内蔵したもので,以後これに倣ったかのようなAFシステム一眼レフカメラが各社から登場することになる。その1985年版の「カメラ総合カタログ」(Vol.82)には,もう1つの注目すべきレンズが掲載されている。コシナの「AF 200mm F3.5」である。ペンタックスK用,ペンタックススクリュー用,キヤノンFD用,オリンパスOM用,ニコンAi用,ミノルタMD用が用意されている。本格的なAFシステム一眼レフカメラが登場した後でも,この種のレンズには一定の需要があったのだろうか。当時は,「一眼レフにAFが必要か否か?」などというネタが多く語られていた時代である。AFに懐疑的な人も少なくなかったのかもしれない(さらに以前には,AEが必要か否か?TTL測光が必要か否か?というネタが語られていた時代もあったようだが)。このAF 200mm F3.5レンズは,1986年版では姿を消すが,1987年版(Vol.89)では,「AF 75-200mm F4.5」として,ふたたび登場するのである。しかも,オートフォーカス機能に加えて,ズーミングを電動でおこなう「パワーズーム」機能つきである。 COSINA AF 75-200mm F4.5オートフォーカスの動作は,はっきり言って,遅い。そして,測距結果があやしいときもある(笑)。ただ,意外と使えそうな感じがある。まあ,よく考えてみれば,このときにはすでにニコンF-501AFやキヤノンEOS650などが登場しているのである。オートフォーカス機能そのものは,とりあえず実用的な段階にはっているはずだ。 TAMRON AF 70-210mm F4 IF (47A)1989年版(Vol.94)版には,コシナから「AF 28-70mm F3.5-4.8」「AF 75-200mm F4.5 MarkII」が登場している。この種のレンズに需要があるというのは,従来のマニュアルフォーカスの一眼レフカメラのユーザが,少しでもオートフォーカスを体験したかった,ということであろうか。しかし,マウントを変更したキヤノンやミノルタのユーザならともかく,レンズの互換性がある程度は確保されていたニコンやペンタックス(Kマウント機)のユーザには,無理に必要なかったのではないか……という気がするのである。 並べてみると,タムロンのレンズはずいぶんと大きいことに気がつく。 |
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