撮影日記


2008年05月20日(火) 天気:曇のち晴

なにをもって
レンジファインダーカメラ
と呼ぶべきか?

「レンジファインダーカメラ」と呼ばれる種類のカメラがある。これは,どのようなカメラを指しているのだろうか?

そもそも「レンジファインダー」とは,なんだろうか。辞書的には「距離計」のことを意味しているようだ。ということは,「レンジファインダーカメラ」とは,「距離計を内蔵したカメラ」を指すものと考えれば間違いない。
 実際,「レンジファインダーカメラ」というとき,多くの場合は,「ライカ」や「コンタックス」のように,フォーカルプレーンシャッターをもち,レンズ交換が可能で,連動距離計を内蔵しているようなカメラを指しているものと思う。なお,ここでいう「ライカ」は,いわゆるバルナックライカやM型ライカを指し,R型ライカを指しているわけではない。ましてや「ライカレンズ搭載」を謳ったディジタルカメラを指しているはずはない。また,ここでいう「コンタックス」はContaxであり,CONTAXではない。Contaxであっても,東ドイツ製の一眼レフカメラを指しているわけではない。
 このような「レンジファインダーカメラ」は,LeicaやContax以外にも,いろいろある。たとえばかつて,バルナックライカを模倣したようなカメラが世界中で多く発売されてきたし,最近でも「安原一式」やコシナ製「ベッサ」シリーズなどがある。

「キヤノネット」などのように,レンズシャッターを内蔵していてレンズ交換のできないタイプのカメラでも,距離計を内蔵しているものがある。これも距離計を内蔵しているのだから,間違いなくレンジファインダーカメラであるし,そのように呼ばれている。このようなカメラも多くの種類が発売されてきて,たとえば「ミノルタハイマチック」や「コニカC35」などのシリーズが有名であろう。
 ところで,たとえばコニカC35シリーズには,距離計が内蔵されていない機種もあった。また,目測式の「ピッカリコニカ」も「コニカC35EF」であり,コニカC35シリーズの1つである。そのような事情があるからなのかどうかは知らないが,「ピッカリコニカ」のようないわゆるコンパクトカメラもすべてレンジファインダーカメラと呼んでいる人も,一部にあるようだ。はたして目測式のカメラは,レンジファインダーカメラと呼ぶべきかどうか?また,Leicaでも初期のモデルは距離計が内蔵されていない。そのようなカメラは,レンジファインダーカメラと呼ぶべきかどうか?また,「ジャスピンコニカ」のようなオートフォーカス式のカメラはどうか。二重像合致式の手動操作の距離計は内蔵されていないが,オートフォーカスの機構そのものは,距離計と言えるのではないだろうか。そうであれば,「ジャスピンコニカ」はレンジファインダーカメラと呼ぶべきかどうか?

「レンジファインダーカメラ」って,どれが該当するのかな・・・・?

「カメラミュージアム」(*1)というサイトをつくるときに,このようなことを考えていると,たいへんに判断に迷ってしまうのであった。「距離計を内蔵しているカメラ」だけを「レンジファインダーカメラ」とすると,同じバルナックライカでも,「レンジファインダーカメラ」というカテゴリーに入るものと入らないものが生じてしまう。「ジャスピンコニカ」を「距離計が内蔵されている」と解釈すると,二重像合致式連動距離計を内蔵したコニカC35とジャスピンコニカが「レンジファインダーカメラ」というカテゴリーに入っても,「ピッカリコニカ」はそこに入らないことになってしまう。また,同じシリーズだから同じカテゴリーに入れようとすると,距離計が内蔵されていないカメラを「レンジファインダーカメラ」と呼ばなければならなくなる。
 つまり,「レンジファインダーカメラ」というカテゴリーを考えるから,ややこしいことになるのである。私としては,いわゆるバルナックライカ型のカメラが入るカテゴリーには,距離計のないものであっても含めておけるようにしたい。一方,キヤノネットのようなカメラは,そこには含めたくない。そこで考えついたのが,「ビューファインダーシステムカメラ」というカテゴリーである。一眼レフカメラではない,独立したビューファインダーをもち,たとえばレンズ交換ができるようなシステムカメラやそれに類似したカメラを含めるのに,都合のよい名称であると考えたのである。ただ,いまさらこういう呼び方をわざわざする人はそうそういないであろうから,「ビューファインダーシステムカメラ」ということばは,それほど広まることもないだろう。

しかし,ほかに「ビューファインダーシステムカメラ」ということばを使っている人がいないかどうか,気になるのである(笑)。だから,GoogleやYAHOO!Japanで,このことばを検索してみた。おそらくは,自分のサイトだけがヒットするだろう。それ以外には,自動的に巡回して要約をつくるようなサイト(この種のサイトは,なにか調べたいことがあるときに傍若無人にヒットしてくるので,たいへん存在がうっとおしいと感じるのである)だけがヒットするだろう。
 しかし,検索結果のなかに1つ,私の知らない人が開設しているブログがあった。自動的に要約をつくるタイプのブログでもない,自分の感想等を述べているブログのようである。どのように「ビューファインダーシステムカメラ」ということばを使ってくれているのか,わくわくしながらその文章を読んでみた。

ところが。

そのブログの作者が自分で書いたと思われる記事なのだが,どこかで読んだことがあるような文章である。よく読んでみると,微妙に言い回し等が違うものの,「カメラミュージアム」のサイトで「ヤシカ エレクトロ35CCN」について私が書いたこの文章(*2)に,たいへんよく似ているのである。

35mm判一眼レフカメラ用交換レンズや35mm判ビューファインダーシステムカメラ用交換レンズにおける35mmレンズの開放F値は,F2からF2.8くらいのものが一般的であり,F1.4やF1.8の大口径レンズは,高級品としての位置づけにある。このカメラは,そんな大口径広角レンズをお手軽に体験できるカメラとして,貴重な存在であるといえるだろう。だから,どちらかというと,比較的暗い場面において,開放に近い絞りで撮ってみたい。

微妙に言い回しが違うが,内容はこれと同じ。ちなみに,私がこの文章を公開したのは2007年7月21日(*3)だが,件のブログの日付は2007年10月28日になっている。
 これは,文章が「パクられた」としか思えない。
 とくに,「比較的暗い場面において,開放に近い絞りで撮ってみたい。」という部分が一致しているのは,いかがなものか。
 事実の羅列にあたるような内容であれば,他人の文章等を参考に文章を書くことはよくあることだろう。自分の文章が「参考にされた」のであれば,それは不快なことではない(はっきりと,○○を参考にしました,などと記載してくれれば,むしろ気分がよいかもしれない)。
 しかし「パクられた」と思しき箇所は,むしろまったく個人的な「感想」といえるものである。そんな「感想」を「パクる」とは,恥を知れ,と言いたい。いや,恥ずる気持が失せていればこそ,自分の「感想」も述べられずにパクるしかない,ということなのかもしれない。

*1 http://camera.awane-photo.com/

*2 http://camera.awane-photo.com/3/2/ele35ccn/

*3 http://www.urban.ne.jp/home/cvcnet/whatsnew/what2007.htm


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