撮影日記


2008年05月03日(土) 天気:晴

恐竜ラボへ行こう

子どものころ,いわゆる「怪獣映画」が好きだった人も,少なくないと思う。映画に登場する怪獣は空想されたものであるが,その多くは,恐竜をモデルに考えられたものだろう。
 恐竜は,中生代(約2億5000万年前〜約6500万年前)に存在した,大型の生物である。専門的には「竜盤類」と「鳥盤類」に分類されるものだけを「恐竜」としているが,一般的には原始的な爬虫類から進化した大型の生物すべてを恐竜とみなされることが多いようだ。
 恐竜のような大昔の生物は,その骨格や痕跡等が「化石」になったものから,存在を知られてきた。恐竜の化石は日本国内からも見つかることがあるが,その数はまだ多くない。たとえば岡山市で数年後のオープンを目指している「林原自然科学博物館」(*1)は,モンゴルのゴビ砂漠で,1993年から恐竜化石の発掘調査をおこなっている。

今日からゴールデンウィークの後半。前半から10日間以上の長い連休を取ることができた人もあるだろうし,連休が前半と後半にわかれてしまった人もあるだろう。いずれにしても,今日が連休である人は少なくないと思う。少なくとも,子どもたちは今日から学校がお休みになる。
 いま(2008年3月15日〜2008年6月29日)大阪市立自然史博物館において,「特別展 ようこそ恐竜ラボへ!」が,林原自然科学博物館の協力によって開催されている(*2)。学校もお休みであれば,多くの子どもたちがこの特別展に来ることが予想される。あまり混んでいるのも気がすすまないが,せっかくの機会だからこの特別展は見ておきたい。
 大阪市立自然史博物館は,大阪市南部の長居公園内にある。どうやって行こうか考えたが,お天気もよいので歩いていくことにした(笑)。ちょっといい運動になる。

ところで大阪市立自然史博物館は,長居植物園のなかにある。その入館料は,数年前に行ったときの記憶では,植物園の入場料とあわせて300円くらいだったはずだ。しかし,「特別展 ようこそ恐竜ラボへ!」の入場料は1100円とのことである。大阪市は財政的に苦しいようだから,公共施設の入場料を大幅に値上げしたのか?とも思ったが,実際に現地に行ってみると,特別展の会場は,大阪市立自然史博物館の建物の隣の「花と緑と自然の情報センター」になっており,大阪市立自然史博物館の入館料とはまったくの別であった。大阪市立自然史博物館の入館料はあいかわらず300円だったので,その点は少し安心。
 特別展の会場へあがる階段の前には警備員さんがおり,さらに列を整理するためのバリケード等も準備されている。また,階段の陰には「入場30分待ち」と書かれたプラカードも隠されている。この特別展は,3月15日から始まった。ちょうど学校が春休みの時期にあたる。春休み期間中は,相当に混雑していたものと思われる。今日がたまたま混雑していないだけなのか?

はっきり言って,展示内容はとてもよかった。単に恐竜の化石等を並べているだけではない。特別展の名称が示すように「恐竜ラボ」がコンセプトである。ゴビ砂漠での発掘のようす,化石をクリーニングする(化石が含まれる岩石から,化石を取り出す作業)過程,そして組み立てられた骨格標本など,現地調査から一定の結論を得るまでの流れを示すように展示がつくられているのである。
 発掘のようすを紹介するコーナーでは,床に発掘現場の実物大の写真が並べられている。これによって,どのような大きさの化石がどのような範囲にどのような状態で埋まっていたのかを疑似体験的に知ることができる。クリーニングの過程では,輸送中に崩れないように石こうで固めたままのサンプルや,作業途中のサンプル,クリーニング後に失われている部分を復元したサンプルなどが,その作業のための器具とともに展示されている。
 化石の実物にさわることができるコーナーもあるなど,化石の発掘調査等を疑似体験的に知ることができるような展示は,やはり子どもたちの興味を引くようだ。会場の外に行列ができているような状態ではなかったものの,会場内は多くの子どもたちでにぎわいを見せていたのであった。

*1 http://www.hayashibaramuseum.jp/

*2 http://www.mus-nh.city.osaka.jp/

画像はすべて,携帯電話機のディジタルカメラ機能による。


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