撮影日記


2008年04月13日(日) 天気:晴のち雨

サクラが終わったから
自宅のチューリップを撮る

サクラの花も,満開の時期を過ぎた。少しさびしくなったがこれからは,地面を彩る花びらと新緑を楽しむことができる,と考えることにしよう。ともあれ,サクラに気を取られているうちに,自宅に植えているチューリップの花も,満開の時期を過ぎようとしていた。

ということで,昨日(2008年4月12日)の日記の続き。

白いタンポポなどを撮ったあとは,自宅に戻り,チューリップを撮ることにした。昨年までは,黄や白い花を背景に,赤い花を撮るようにすることが多かった。今年は,白と紫が混じった花も植えてみたので,これを中心に撮ってみることにする。結局,黄や白い花は,背景になるようだ。
 自宅で撮る場合は,大げさなカメラを持ち出すことも可能になる。1年ぶりに,TOYO-VIEW 45Cを引っぱり出すことにした。昨年,同じようにチューリップを撮ろうと考えたとき以来のことである。狭い範囲に植えた数本のチューリップが対象になるので,どうしてもやや長焦点のレンズを使い,接写をおこなうことになる。
 このカメラはその「45C」という名前が示すように,本来,4×5判の撮影をおこなうカメラである。しかし,自宅のチューリップを撮るだけのために4×5判のフィルムを使うだけの度胸はない。また,後にプリントをするときの費用も考慮して,クイックロールスライダーを使ってマミヤプレス用ロールフィルムホルダを取りつけて,6×9判の撮影をおこなった。
 もしかすると,4×5判よりも6×9判の方が大きいように思われる方があるかもしれない。しかし,4×5判の場合の単位はインチであり,6×9判の場合の単位はセンチメートルである。つまり,4×5判は,6×9判よりも大画面なのである。いつもこの日記を読んでくださっている方にはいまさら説明の必要もないだろうが,もしかすると初めてこのページにたどりついてこられた方もあるかもしれないので,いちおう補足しておくことにした。
 この種の「モノレール型」と呼ばれるカメラは,アオリの自由度が高いという特徴がある。レンズやフィルム面をいろいろ傾けることで,ピントの合う範囲をコントロールしたり,被写体の歪みを調整したりすることができる。並んだ花を斜めから撮るとき,十分に絞りこむことで,手前の花にも奥の花にもピントがあっているように見せることは可能である。しかしその場合は,背景にもピントがあっているように見えてしまう。その点,アオリによってピントの合う面を調整すれば,手前の花にも奥の花にもピントを合わせながら,背景はちゃんとボケさせるようなことも可能になる。

TOYO-VIEW 45C, FUJINON WS 210mm F5.6, E100VS

そこを逆に調整して,ある程度絞り込んで主となる花には十分にピントをあわせながら,前景や背景をボケさせてしまうような方法もある。

TOYO-VIEW 45C, FUJINON WS 210mm F5.6, E100VS

大判モノレールカメラに憧れてかなり安価に入手したTOYO-VIEW 45Cだが,結局あまり出番はない。しかし,たまに使うと,やはり楽しいものである。最近,大判カメラや中判カメラが,中古カメラ店にかなり安価に流通するようになったように感じられる。興味のある方は,入手のチャンスではないだろうか!と,ここで軽く「アオリ」をしておこう。大判カメラに「アオリ」はつきものなのだ。
 久しぶりに的場町の中古カメラ店街を訪れようと思ったが,大洲カメラが閉店したという風の便りが流れてきた。大洲カメラは,おもしろそうなものが安価に見つかるような気がするお店なので,けっこう好きなお店であった。また,広島に来てはじめてカメラ/レンズを購入したのが,じつは大洲カメラだったのである(Ai NIKKOR 135mm F2.8Sを購入)。当時の店主は,先代の方だった。
 ちょっとさびしい気持ちになった理由は,サクラが散りはじめたから,ということだけじゃないようだ。


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