撮影日記


2008年04月01日(火) 天気:はれ

ブロニカは,
やっぱりボロニカなのか?

ZENZA BRONICA ETRSのシャッター速度ダイアルをいじっていると,突然,空回りをはじめたのである。ETRSのシャッター速度は,1/500秒から1秒はもちろん,さらに8秒までの露光が可能になっている。なお,B(バルブ)は,ない。そのような長時間露光をする場合は,レンズ側のレバーを「T」に切り替えておこなうことになる。ともあれ,ETRSのシャッター速度ダイアルはいわゆる倍数系列(1/500, 1/250, 1/125, ・・・・, 1/2, 1, 2, 4, 8)であり,中間のシャッター速度は指定できない。それぞれの値のところで,わりと固めのクリックストップがかかるようになっている。シャッター速度ダイアルをいじっているときに,突然,そのクリックストップがなくなって,シャッター速度ダイアルがカラカラと軽く回るようになってしまったのだ。

ということで,ボディを分解せざるを得ない状況に追い込まれてしまったのである。

トラブルを起こしているのは,シャッター速度ダイアルのメカニズムだけだろうから,できればその周辺だけを分解することで済ませたい。このタイプのカメラのボディは,たいへん軽い。おそらくミラーを動かすメカニズムと,シャッター速度を決めるための電子回路くらいしか入っていないはずだ。その電子回路は,シャッター速度ダイアルの周辺にあるのが合理的だと思われる。その周囲だけが,簡単に開くのではないかと考えた。
 こういう場合,ボディ表面に貼られた皮の下にネジが隠されていることが多い。ためしに隅の方を少しはがしてみると,ネジの頭が顔を出した。案の定である。

シャッター速度ダイアルが,皮を押え込んでいるので,まずはこれをはずす必要がある。シャッター速度ダイアルの内側の皮をはがすと,そこにも予想通り,ネジが隠されている。

あとは順番にネジをはずしていくだけだ。ボディの皮をはがすと,全部で7つのネジが姿を見せるが,これは全部はずせばよい。

内部の回路は,シャッター速度ダイアルの位置によって接点が切り替わるようになっている。これによって,シャッター速度を決めているようだ。ところで,このレンコンのように開いた穴はなんであろうか。

よく見ると,小さなボールがはさまって,接点といっしょにくるくる動いている。これは,なにかおかしい。接点をはずせば正解は明白。このボールは,本来,この位置にあって,レンコンのように開いた穴にはまることで,クリックストップとしてはたらいていたのである。

このボールが,ふつうにシャッター速度ダイアルをいじっているだけではずれてしまうなんて・・・・・やはり,ブロニカはボロニカだった,ということだろうか?いや,ジャンク扱いのものを購入してきたんだから,そんなことを言ってはいけない。
 ともあれ,ここまで分解したのだから,ついでに接点を掃除しておくことにした。意外と,汚れがたまっている。

あとは,逆の手順で組み立て直せば完了である。さて,接点をきれいにしたことが原因なのか,あるいはクリックストップのボールの位置をきちんと直したことが原因なのか,不安定だったシャッター速度が少しは安定してきたように思われる。まあ,しばらく使ってみないことにはわからないが,もし実用的な状態に回復したのであれば,これが¥4,320(2008年3月25日の日記を参照)というのはいわゆる「お買い得」だった。と言えるかもしれない。


← 前のページ もくじ 次のページ →