撮影日記


2008年02月10日(日) 天気:晴

紙でつくったネームプレート

先週,友人たちと食事をした際に,リコーフレックスVIIsのネームプレートを貸していただいた。

このネームプレートをフラットベッドスキャナで読みこむ。読みこんだ画像の不必要な部分を消去し,いわゆる写真用紙に高画質でプリンタ出力をする。こうしてできた紙をきれいに切り抜き,ネームプレートと同じ大きさにカットした真ちゅう板に貼りつければ,リコーフレックスVIIsのネームプレートの代用品のできあがり!である。
 この夏にいただいたリコーフレックスVIIsは,ネームプレートが失われていた(2007年08月16日の日記参照)。作成したネームプレートの代用品をここに取りつければ,リコーフレックスVIIsの復活である。

リコーフレックスVIIsは,リコーフレックスVIIの改良型という位置づけである。リコーフレックスVIIに搭載されたRIKENシャッターは,リコーフレックスIII以来のものであり,リコーフレックスVIIsになってはじめて,大きな改良が加えられたとされている。ただし,リコーフレックスVIIには,セイコーシャ・ラピッドシャッターを搭載した高級バージョンもある。
 さて,リコーフレックスVIIsのネームプレートを,リコーフレックスVIIのネームプレートと見くらべてみた。
 まず,ロゴのデザインがまったく異なることが,すぐに目につくだろう。リコーフレックスVIIは,とくにロゴを飾り立てることもなく,角の丸いゴシック系の書体で,直線的に文字をびっしりと並べている。これによって,精密機械であることをアピールしているように感じられる。一方,リコーフレックスVIIsの方は,上に凸な曲線上にロゴを並べている。これによって,楽しそうな,ポップな印象を与えられるものと感じられる。ところで,リコーフレックスはRICOHFLEXであり,先頭の文字が「R」で末尾の文字が「X」になっている。これは偶然なわけだが,ローライフレックス(ROLLEIFLEX)と共通する。ローライフレックスといえば,二眼レフカメラという形態を完成させたカメラである。そして,ドイツ製の「高級舶来二眼レフカメラ」である。ローライフレックスのロゴでは,先頭のRと末尾のXを下線で結んだものがよくあるが,リコーフレックスVIIsのネームプレートのロゴは,そのようなローライフレックスのロゴにインスパイヤされた面もあるのではないだろうか,などと想像するのも楽しい。そういえば,ローライフレックス・オリジナルのロゴとリコーフレックスIIIのロゴも,なんとなく似ているような気がする。
 リコーフレックスVIIとリコーフレックスVIIsのネームプレートを見くらべてもう1つ気がつくことは,その全体的な形である。リコーフレックスVIIの方は,上側の2つの角に丸みがつけられているが,下側の2つの角は直角のままである。リコーフレックスVIIsの方は,4つの角とも斜めに切り落とされており,全体としては八角形になっている。微妙な差異かもしれないが,これもカメラ全体の雰囲気に影響を与えていることだろう。いや,製造時には,そこまで深く考えていなかったかもしれないが。ともあれ,そういう微妙な変化を追いかけてみるのもおもしろいかもしれない。

さて,リコーフレックスVIIsのネームプレートだが,これは本来,マイナスネジでカメラ本体に取り付けられている。手元にあるネジ類のなかに,ここにあうものがないかさがしてみるのだが,そうそう都合よくはみつからない。そこでとりあえず,両面テープで貼りつけておくことにした。困ったときには両面テープ,である。
 この時代のカメラには,マイナスネジが使われている。最近は,マイナスネジを見かけることがあまりないように思われる。プラスネジの方が,かかる力が4か所に分散するし,ドライバーの頭もすべりにくいので,回しやすいのだろう。しかし,製品の表面にネジの頭が見えるとき,それがプラスネジであるよりは,マイナスネジであるほうが,どことなく上品な気がする。それは,たんなる思いこみみたいなものであろうか。


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