撮影日記 |
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2007年09月04日(火) 天気:晴リコーフレックスの特徴これまで「撮影日記」では,二眼レフカメラをそのピント合わせの機構から,2つに分けて扱ってきた。1つは,ピントリング周囲がギアになっていて,ビューレンズ(ファインダーに像を結ぶためのレンズ)とテイクレンズ(フィルムに像を結ぶためのレンズ)が連動するタイプのもので,「前玉回転式(あるいは単に回転式)」などとよぶ(実際には,テイクレンズは前玉だけが移動するようになっているが,ビューレンズは全体が移動するようになっているケースが多いようなので,単に「回転式」とよぶのがよいのかもしれない)。もう1つは,ビューレンズとテイクレンズがついたレンズボード全体が前後するようになっているもので,「前板繰出式(あるいは単に繰出式)」などとよぶ。繰出式の二眼レフカメラとしては,ローライフレックスがその代表例といえるだろう。一方,回転式の二眼レフカメラとしては,リコーフレックスがその代表例といえるだろう。 さて,板金ボディは,一般的に精度を保つのが容易ではないとされる。しかし,レンズ固定式の二眼レフカメラであるリコーフレックスには,それほど高い精度は要求されなかったのではないだろうか。テイクレンズ,ビューレンズそれぞれの位置を決めたあとに,その周囲の「ギア」を調整しながら取りつけることができ,そこまでできればあとはきちんと連動するのである。 左:リコーフレックスVII型,右:ヴィータフレックス「ヴィータフレックス」は,フォクトレンダ社の「ブリリアント」に似たカメラである。ピント調整は目測式,ビューレンズは固定されており,ファインダーは構図を確認するだけのものである。そういう面では,「ヴィータフレックス」は,「簡素な二眼レフカメラ」というだけでなく,「ボックスカメラのファイダーを改良したもの」という見方もできる。 リコーフレックスVII型の中枠ヴィータフレックスの中枠リコーフレックスは,このような簡素なカメラの「低価格」という特徴を維持しつつ,回転式ピント調整機構を取り入れるなど,実用性を高めたカメラだったのである。ともかく,リコーフレックスというシリーズは,後世まで語り継がれるべきカメラであることは,疑いのないことである。二眼レフを語るには,両極に位置するローライフレックスとリコーフレックスを知っておかねばならないのかもしれぬ。 |
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