撮影日記


2007年08月25日(土) 天気:晴れ

黒淵を撮る

久しぶりに,三段峡へ行ってみることにした。今回は,これまであまり撮ってこなかった,黒淵あたりを中心に撮ってみようと考えた。しかし,久しぶりなのだから,三段滝まで歩きとおしたくもある。そんな,小さな迷いをもちながら,7時ころから歩きはじめたのだった。撮影機材は,あまり欲張らず,Mamiya Universal Pressとレンズ3本(Mamiya-sekor 250mm F5, 100mm F3.5, 75mm F5.6)のみとした。

これまで三段峡を訪れた際には,滝など,水の流れのあるところを中心に撮ってきた。今日は少し視点を変えて,岩などにも目を向けてみようと思う。空はよく晴れ渡っている。ちょうど進行方向に見える斜面は,おもに順光となり,青空を岩肌が貫こうとしている。そうだ,こういう場面は,ほとんど撮ってこなかったんだ・・・・・。しかし,どうせなら50mm F6.3で撮りたくもあり,また,三段滝まで歩みを進めたくもあり,結局,ほとんど撮らずに通り過ぎることになった。
 そして,黒淵へ到着。見ると,今日は黒淵の渡船は休業だという。夏休み中の土曜日なのに休業?まだ観光客が多くくるには早い時刻で,昨日のままの看板の状態なのかもしれない。遊歩道で黒淵を越えていくと,先に小さなバリケードが見える。そこには,「この先,通行禁止」と書かれているではないか。これが,渡船が休業していることと関係あるのだろうか?ただ,「通行禁止」の理由がなにも書かれていない。たとえば以前であれば,「地震」あるいは「大雨」などの影響で「遊歩道が崩れています」という説明がされているのを見たことがある。ところが今回は,単に「この先,通行禁止」なのである。
 明らかにそれを無視して通っている人もみかけるので,通行不可能ではないのだろう。しかし私は,「通行禁止」なのを幸いに,そこから先へ進むのをやめた。これは,「たまには黒淵をのんびり撮ってあげなさい」という,天の思し召しなのであろう(笑)。最初の考え通り,黒淵を撮ることにしたのである。
 とはいえ,渡船から撮るつもりはない。高いところを通る遊歩道から,黒淵を見下ろせる場所を探して撮ろうと考えていたのである。黒淵を見下ろせる場所から,ピントグラスに写る風景をながめる。どうせなら渡船も写しこんで,画面上のアクセントにしたいと思う。しかし,今日は渡船が「休業」らしい。次回,もう一度,この場所で撮影することにしようと考え,カメラを片づけはじめた。そのとき,下の方からエンジンの音がする。遊歩道の修理のための機械でもやってきたのだろうか?すると,休業かと思っていた渡船の姿が見えてきたのであった。「本日休業」というのは,やはり「昨日」のことだったようだ(笑)。渡船がもう一度そこを通るのを待ってから,帰路につくことにした。

Mamiya Universal Press, Maiya-sekor 100mm F3.5, EPN

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