2007年07月05日(木) 天気:晴れ
リコー「MIRAI」復活(2)
リコー「MIRAI」は,1988年に発売された。全体に平たい印象を受け,角度が変えられるグリップのついた,特異なスタイルのカメラである。従来のコンパクトカメラや一眼レフカメラとも違うスタイルである。コンパクトカメラにあるファインダー用の窓が見えないことから「一眼レフ」形式であることは想像がつくだろう。これは,ズームレンズ一体型の一眼レフカメラなのである。
カタログの数値等にあらわれるスペックは,最廉価版一眼レフカメラと同様なものだ。シャッター速度は1/2000秒の高速シャッターから,32秒の長時間露光まで対応する。露出モードはプログラムAE専用だが,プログラムシフトや露出補正も可能である。一方,絞り優先AEやマニュアル露出はできない。ピント調整はAFもMFも可能である。ただし,MFはレバーで操作する電動式なので,精度よくピントをあわせることは容易ではない。精度よくピントをあわせることよりも,AFが苦手とする被写体を撮影するときに使う機能だと考えるべきだろう。
レンズは35mm-135mm F4.2-5.6のズームレンズである。プログラムAEおよびAFを前提に,スナップ撮影を中心に使うなら,全体にバランスよい機能をもったカメラだということができるだろう。最短撮影距離は1.2mだが,マクロモードに切り替えると最短撮影距離0.49mの中望遠マクロレンズとして使うことができる。このときのピント調整は,MFのみとなる。
このように,1台でさまざまな場面に対応できそうなカメラであるが,拡張性は皆無である。スナップ撮影用として割り切るとすれば,この大きさ,重さが気になってくる。この中途半端さが,この種のカメラの特長であり,欠点であるといえる。ただ,グリップをたたむと,カバン等への収まりはよい。そういう面はすぐれている。
この種のカメラには,ほかに京セラ「SAMURAI」やオリンパス「L-1」などがあった。中途半端な性格から,結果として主流にはなれなかったようだが,新しいタイプのカメラとして,さまざまなカタチを提案してきたという意義は大きいものがあったと思う。
左:リコー「MIRAI」,右:京セラ「SAMURAI」
そういえば,これが私にとってはじめての,リコーの一眼レフカメラになるのかもしれない。ところで,リコーの一眼レフカメラといえば,なにを思い浮かべるだろうか・・・・?そうだ,やはりXR500,「リコーのサンキュッパ」これだ。それに,AF RIKENON 50mm F2というAF式の交換レンズのインパクトも大きかった。しかし,リコーからは,AFシステム一眼レフカメラは発売されなかったようだ。となると,「MIRAI」はリコー唯一のAF一眼レフカメラだった,ということになるのだろうか。
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