撮影日記


2007年05月27日(日) 天気:晴れ

全自動フジカ,立つ

昨日の日記では,ディアモール大阪の八百富写真機店で,1967年版の日本カメラショー「カメラ総合カタログ」を買ったことを書いた。そのあと,ヨドバシカメラで友人たちと待ち合わせをし,飲みに行ったのであるが,飲みに行く前にふたたび,ディアモール大阪の八百富写真機店に立ち寄ってみたのである。
 あらためて,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」の並んでいる付近を見ていると,小さな緑色の箱が目に入った。それには「全自動フジカ」がどうのこうのと書いてある。よく見ると,「全自動フジカ」用「三脚付ケース」の箱である。
 「三脚付ケース」付きの「全自動フジカ」は,まだ売れていないのだ!まさか,箱だけ残すこともあるまい。そのそばには「全自動フジカ」のふつうのケースもころがっている。店員さんに聞いてみよう・・・・と顔をあげると,「三脚付ケース」付きの「全自動フジカ」は,ショーケースの中に並べられていたのであった。
 店員さんにそれを出していただき,まずはもっとも気になっていたことを質問した。

「これ,どうやったら,ケースから本体が外れるんですか?」

店員さんも少々悩んでいるようだったが,「地道に少しずつ引いていけば・・・・ほら・・・・」なんとか外すことができた。これで問題解決。このカメラを「保護」して連れて帰ることにした。

なんの変哲もない,
ふつうの「全自動フジカ(FUJICA AUTO-7)」だけど,
「三脚付ケース」で立つんです(歩き出したりはしない)。

「保護」という表現を使うのは,なにも大げさなことではないと思う。
 この「三脚付ケース」のようなオプション品が,もし,「ライカ」用のオプション品であれば,きっとそれにはそれなりの高価な価格がつけられていただろう。そして,それは,「価値があるもの」として,人々に大切に扱われるはずである。たとえ希少なオプション品であっても,それに価値を見出す人があり,それを適正な価格で流通させるお店があれば,必ずや誰かの手によってコレクションされ,大切に保管される(あるいは使用される)はずである。
 それに対して,「全自動フジカ」のような廉価版カメラのオプション品は,そういう大切な扱いを受けるであろうか?「新しいカメラを買ったから」「調子が悪くなったから」などの理由で捨てられてもおかしくないだろう。下取りに出すとしても,販売店によって結局捨てられてしまうかもしれない。そのようなオプション品は,それなりの量が流通していたとしても,後世に残される数はわずかなものになってしまう危険性がある。
 だからこそ,廉価版カメラこそ,保護の対象にしなければならないのだ。それが,ユニークな機構を持っていれば,なおさらのことである。

・・・・などと自分の行為を正当化させながら,また1台,カメラが増えていったのであった。


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