撮影日記


2007年03月13日(火) 天気:晴

「あ」から「わ」まで

かつて二眼レフカメラは,多くのメーカー等からさまざまな名称で発売されたため,その名称の頭文字は「A」から「Z」まですべてそろっている,と言われている。そして,実際には,すべてではないことが知られている。このことを確認してみよう。
 もっとも,このような有名なネタであれば,すでになんらかの雑誌記事やウェブサイト等で,そのリスト等が公開されていることだろう。しかし,ここにそういうものを引用してきてもおもしろくない。かといって,販売店を行脚したり,オークションをチェックしたりして,その存在をたしかめていくのも,面倒な話である。そこで,手っ取り早い方法として,手元にある古雑誌の広告等を参照して,実際にどういう名称の二眼レフカメラが宣伝されていたかを調べることにしてみたい。

今回は,以前,参照した「アサヒカメラ年鑑」1953年版,1955年版,1958年版から,二眼レフカメラの名称をピックアップしてみる。まず,メーカーや代理店等による広告から二眼レフの名称を拾い出してリストにすると,以下のようになる。

「アサヒカメラ年鑑」の広告に見られる二眼レフカメラの名称
カメラ名メーカー,代理店等
アイレスフレックス アイレス写真機製作所
アルペンフレックス 八陽光学工業
ウェルミーフレックス 大成光学
エルモフレックス エルモ社
エレガフレックス 日東写真用品
オーシロフレックス 大城光学
カロフレックス 興和光器製作所
コスモフレックス 松崎商会
コニフレックス 小西六写真工業
スーパーフレックス 美光堂製作所
トヨカフレックス 東郷堂
ニッケンフレックス 日本光研製作所
ピジョンフレックス 遠藤カメラ店
ビューティフレックス 太陽堂光機
ファーストフレックス 皆川商店
フジカフレックス 富士フイルム
プリモフレックス 東京光学
ホビフレックス 東郷堂
マミヤフレックス マミヤ光機
マルカフレックス 三和商会
ミノルタコード 千代田光学精工
ミノルタフレックス 千代田光学精工
リコーフレックス 理研光学

ここに,手元にある「アサヒカメラ」1954年8月号,9月号,1955年1月号の広告に載っているカメラの名称を加えてみると,以下のようになる。

カメラ名メーカー,代理店等
アイレスフレックス アイレス写真機製作所
アルペンフレックス 八陽光学工業
ウェルミーフレックス 大成光学
エイカフレックス エイカカメラ
エルモフレックス エルモ社
エレガフレックス 日東写真用品
オーシロフレックス 大城光学
オリンパスフレックス オリンパス光学工業
カロフレックス 興和光器製作所
コスモフレックス 松崎商会
コニフレックス 小西六写真工業
スーパーフレックス 美光堂製作所
ゼノビアフレックス 第一光学
トヨカフレックス 東郷堂
ニッケンフレックス 日本光研製作所
ピジョンフレックス 遠藤カメラ店
ビューティフレックス 太陽堂光機
ファーストフレックス 皆川商店
フジカフレックス 富士フイルム
プリモフレックス 東京光学
プリンスフレックス 東洋精機光学
ペトリフレックス 栗林写真機械製作所
ホビフレックス 東郷堂
マミヤフレックス マミヤ光機
マリオフレックス 大城光学
マルカフレックス 三和商会
ミノルタコード 千代田光学精工
ミノルタフレックス 千代田光学精工
ヤシカフレックス 八洲光学精機
リコーフレックス 理研光学
ルビナルフレックス 栄光堂
ローレルフレックス 東京光学機械
ワゴーフレックス ワルツ商会

このように,「あ」から「わ」までの名称もかなりの部分が揃っていることがわかるだろう。ちなみに,50音順に並べたときに先頭にくるものは「アイレスフレックス」で問題ないと思うが,最後にくるのは「ワゴーフレックス」ではない。「ワルツフレックス」というものが存在しているのだ。この時代の雑誌を,もっとくまなく調べれば,そのあたりもはっきりすることだろう。時間があれば,販売店の広告に載っている名前もピックアップしてみると,もっと増えるかもしれない。

さすがに,「を」や「ん」ではじまる名称のカメラは存在しないと思うのだが。


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