撮影日記


2007年03月11日(日) 天気:曇一時雨後晴

川を行く船

寺町と土橋と紙屋町と八丁堀に用事がある。紙屋町と八丁堀に用事があるなら,横川から電車に乗っていくだろう。しかし,寺町は,電車に乗っていくほどの距離ではない。寺町から土橋に移動したり,土橋から紙屋町に移動したりする場合も,それぞれわざわざ電車に乗るほどの距離ではない。そう,距離的には,自転車で移動するのがちょうどよい。しかし,紙屋町や八丁堀では,自転車を置く場所にも気を使ってしまう。こういう場合に「クルマでいく」と考えた人は,頭を冷やした方がいい。いや,駐車場代を気にする必要がないくらい金回りがよく,路上駐車等で迷惑をかけないというなら,好きにすればよかろう。
 結論として,今日は時間に余裕があるので,歩くことにした。すごしやすい季節であれば,歩くにも適した距離である。しかし,いざ歩き始めてみると,雨は降ってくるわ(すぐに止んだが),風は強いわで,必ずしも快適とは言いがたい。ま,いいか。

歩くのであれば,当然,カメラを持っていく。そして,おもに川沿いの道を選んでいきたい。クルマでいくときには不可能な楽しみ方だと言えるだろう。空鞘橋を渡ったところで,河川敷に寄ってみる。まだ,木々は葉を落としたままであるが,まもなく訪れる春にはサクラなどがきれいに咲きそろうことであろう。川を,リバークルーズの「すいすい」や「雁木タクシー」が通り過ぎていった音が,この空間において,ほどよいアクセントとなっている。

Yashica CONTAX RTS, Tessar T* 45mm F2.8, 100DELTA
Yashica CONTAX RTS, Tessar T* 45mm F2.8, 100DELTA

紙屋町や八丁堀での用事を済ませ(昼食も,すなおに「中国飯店」で済ませた),平和公園を通る。元安橋の船着場では,「すいすい」を端の方に移動させているところであった。本日の「すいすい」の営業は終了したのだろうか。
 平和公園を横切って,本川橋が見えるころ,爆音が聞こえてきた。ちょうど,世界遺産航路(平和公園−宮島)の高速船「きらら」が,宮島からやってきたところである。昨年,はじめて乗ったとき,「きらら」が海上を爆走するのに驚いたものだが(2006年11月26日の日記を参照),川をゆっくりと航行するときにも意外と音が大きいようだ。ともあれ,さきほど「すいすい」が端の方に寄せられていたのは,「きらら」のために桟橋を空けていたものと理解できた。
 先を急ぐ必要はなかったので,本川橋の上で,「きらら」がふたたび宮島へ向けて出航するのを待つことにした。橋の上は風が強く,寒い。ついこの間まで「記録的な暖冬」と騒がれていたのに,いざ3月になると,とたんに冬に逆戻りしたような感じである。

Yashica CONTAX RTS, Tessar T* 45mm F2.8, 100DELTA

相生橋の下からあらわれた「きらら」後部のデッキには,何人かの人が出ていて,川からの眺めを楽しんでいるようだ。
 広島市の特徴的な光景の1つとして,市内中心部を走る路面電車を数えることができる。そして,川を行く船も,広島市における特徴的な光景の1つとして数えてもいいだろう。


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