撮影日記


2006年12月15日(金) 天気:曇

銚子電鉄の「ぬれ煎餅」

旅行や出張などのときは,やはり「おみやげ」を買って帰りたいのである。出張にでかける機会の多いところは,やはり東京や大阪である。私が,東京出張の際の「おみやげ」として選ぶことが多いものに,舟和「芋ようかん」がある。これは,なんといってもお芋さんの甘味がとてもおいしいのである。また「ようかん」のように,いくらでも細かく切ることができる。すなわち,「おみやげ」を配る対象が,何人であっても,分けやすいというメリットは捨てがたい。以前は,夕方に買おうと思うとかなり列が長くて時間がかかったものだが,最近はわりと楽に買える気がする。ただ,「芋ようかん」の「おみやげ」としての短所は,賞味期限だ。いちおう,当日限りあるいは冷蔵庫で保管して翌日まで,といわれる。たとえば金曜日に買って帰って,月曜日に配ったりすると,明らかに賞味期限切れなのである。ま,いいか。
 最近,満願堂「芋きん」というものに,長い列ができているのを見かけた。これは,六面体の芋ようかんのようなものの各面に,溶いた粉と思われるものをつけて焼いたものである。これがまた,お芋さんの甘味がとてもおいしいのである。決して甘すぎず,かといって,深い甘さなのである。ただ,「芋きん」の「おみやげ」としての短所は,「熱いうちに食べるのが最高においしい」ことである。冷めたものを電子レンジであたためても(いや,冷めたままでも)それはそれでおいしいのであるが。
 こうしてみると,どうも,「生もの」とでもいうか,買ってすぐに食べた方がいいものばかりを,「おみやげ」に選んでいるような気がする。かといって,いまさら「ナボナ」を買って帰るのもおもしろくないし,「東京ばな奈」シリーズでは安直な気もする。また,「おみやげ」は,毎回,同じものではなく,ときどき変わったものを持って帰りたい。いつもいつも同じ「おみやげ」では,自己満足が十分に満たされないのである。しかし,「おみやげ」を買う場所や時間は限られたものになり,どうしても東京駅の地下街あたりで買うことになる(時間的な余裕があったりすれば,梶原まで足を伸ばして明美「都電もなか」を買って帰りたいところであるのだが)。

千葉県銚子市に,銚子電鉄という私鉄の路線がある。ここが経営危機に陥って,車輌の検査費用が出せない状況に追いこまれ,ウェブサイト上で「ぬれ煎餅を買ってください」という叫びをあげたのは,1ヶ月前のことである。
 銚子は,醤油の生産で有名な町である。銚子電鉄は,鉄道部門の収益を補うために,その醤油を使った「ぬれ煎餅」の製造・販売をはじめたそうだ。私がその存在を知ったのは,この「叫び」によってである。その叫び以前から,けっこう「おいしい」という評判も広まっていたようだ。この機会に,買ってみようと思ったのだが,「銚子電鉄に協力してあげたい」という人も含めて,通信販売にはすぐに注文が殺到し,かなり「待たされる」状況になったようだ。
 少し調べてみると,東京駅の地下街に,銚子電鉄「ぬれ煎餅」を扱っているお店があることがわかった。昨日の出張は,そのころから予定されていたので,「こんどの出張の際に,買ってみよう」と私は決めていたのであった。
 大量の注文に,製造が追いつかない状況だというが,東京駅地下街のお店には,ちゃんと入荷があったようで,私は無事に「ぬれ煎餅」を入手できたのである。評判どおり,香りのいい,おいしいお煎餅である。今後,東京出張の「おみやげ」のレパートリーの1つに加えることにしようと思う。


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