撮影日記


2006年12月04日(月) 天気:晴

「三段峡水景色」
展示作品10 お岩淵・10月

2004年5月1日,2日におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第1回写真展」で展示した写真のうち,「三段峡・水景色」というテーマで展示をおこなったものを紹介している。最後の10枚目は,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 75mm F5.6, EPN

奥三段峡を通り抜けると,聖山の方と恐羅漢山の方を結ぶ林道に至ることは,地形図を見れば容易にわかる。樽床ダムからこの林道を歩いて,奥三段峡の最上流部を覗いてみることにした。このルートは距離はあるものの,道がしっかりしているので,マミヤユニバーサルプレスと三脚を持って行くことは十分に可能である。
 聖山の方からの川と,恐羅漢山の方からの川が合流する地点は,少し開けた場所になっている。そこには砂防堰堤があり,その下に峡谷が見えだろう。そこが,奥三段峡の最上流部にあたる,お岩淵と呼ばれる場所だ。ここには,身投げして亡くなった女性の伝説があるそうで,そのお話は以前,戸河内町役場のウェブサイトでも紹介されていた。それによると,そこには身投げした女性の幽霊が出ていたという。今は出なくなったということになっているが,そういう話を知っていると,ここに長居するのがあまりゾッしない。その淵は深く,通る人もほとんどなく,背中に重いカメラを背負っているのだから,万が一のときには永遠に浮かび上がってこられないかもしれない・・・・などと,考えてしまうのであった。

そういうことを考えながらこの淵を覗いたせいか,単に日があたらずに薄暗いせいか,とても深い色を見せている。E100VSのようなフィルムでは,雰囲気が重くなりそうなので,すなおにEPNを選んだ結果がこれである。少々,硬くなりすぎたかもしれない。
 さて,10枚の写真を通じて,三段峡に見られる水のさまざまな姿を紹介してみた。これを名所案内的に考えれば,黒淵,猿飛,二段滝の写真がないことは物足りないと思われるかもしれない。そのほかにも,特徴的な景観はあるので,また機会があればそれらも含めて大々的に展示をしてみたいものである。


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