撮影日記


2006年11月22日(水) 天気:曇

「三段峡水景色」
展示作品03 三段滝・11月

2004年5月1日,2日におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第1回写真展」で展示した写真のうち,「三段峡・水景色」というテーマで展示をおこなったものを紹介している。その3枚目は,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 75mm F5.6, E100VS

三段峡の名の由来としては,中国の「三峨」「三峡」というところに似ているという説もあるが,三段滝に由来すると言ってもらった方が,すっきりわかりやすいように思う。そのかわり,「三段峡駅はほんとうの三段峡よりずっと手前にある」という誤解を堂々と書いてしまうような人が増えてしまうかもしれない・・・・。
 さて,三段滝は,たしかに大規模な滝である。地形図を見るかぎり,この周囲は切り立った絶壁であり,遊歩道が整備されていなければ近づくことは容易ではなかっただろう。滝の正面のこの位置に,遊歩道を整備してくれていることは実にありがたいことといえる。実際に行けばすぐに気がつくのだが,この遊歩道は,滝がよく見える位置にわざわざ上っているのである。
 峡谷のなかにある滝の常として,なまじ天気がよいと,谷の左右に明暗差が生じて撮りにくくなる。そのため,明るい曇の日に撮ったり,あるいは,光がやわらかい早朝に撮りに行くことがのぞましい。この写真でもわかるように,滝に向かって右側は,すでにたいがい影になって暗いのである。
 三段峡は,広島県内において紅葉の名所の1つである。三段滝は常清滝よりは谷が広いせいか,左右の紅葉の進行に大きな差は見られない。結果として,これまでの経験でいえば11月3日ころに訪れれば,ほぼ確実に美しい紅葉を楽しむことができるはずだ。

三段滝を訪れるときに,およそ1.5km手前の水梨林道終点の駐車場まで自家用車(あるいは旧・三段峡駅前からのマイクロバスの便)を利用するケースが少なくないと思う。その方法だと,歩く距離があまり長くなく,猿飛・二段滝に立ち寄ることも容易であろう。また,水梨林道終点から5分ほど歩いたところの葭ケ原(よしがはら)には,食事のできるお店(トイレや自動販売機もある)があることも,お手軽に訪れるときには好都合であろう。
 ただ,私は,その方法はあまりおすすめしない。なぜなら,葭ケ原から三段滝にかけて,遊歩道から見える景色はあまり変化がないのである。実際には深い峡谷なので,いろいろと変化に富んだ光景が存在するのだが,遊歩道が高いところを通っている場合もあったりして,あまりよく見えなかったりするのだ。三段滝にさえ訪れられればよい,というのであればこれでも問題ないが,せっかく変化に富む三段峡を訪れるのであれば,もっといろいろな景色を見ていただきたいものである。
 ただ,長淵橋から三段滝まで,往復を歩き通すには,体力や時間にそれなりの余裕がなければ厳しいのも事実であろう。


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