撮影日記


2006年11月20日(月) 天気:曇

「三段峡水景色」
展示作品01 竜ノ口・7月

こんどは,2004年5月1日,2日におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第1回写真展」で展示した写真のうち,「三段峡・水景色」というテーマで展示をおこなったものを紹介する。このテーマでは,半切サイズのプリントを10点展示した。このときは,下流側から上流側への順に配置した。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 100mm F3.5, E100VS

1点目は,三段峡のもっとも下流側の入り口である長淵橋から1kmもないところにある,竜ノ口とよばれる急流部である。ここは,三段峡を世に広めた,熊南峰氏が最初に三段峡に興味をもって訪れたところと言われている。これは,上流側から下流側を眺めたものであるが,熊南峰氏が撮ったとされる写真は下流側から見たものである。熊南峰氏が三段峡を探索したころ,ここには現在のような歩きやすい遊歩道は設けられていなかった。そこをどのように進んでいったのかは想像すらできないが,熊南峰氏が撮ったとされる写真を見ると,下流側のかなり低い位置から撮ったものと思われる。現在,その位置から撮影を試みるには,それ相応の危険を覚悟する必要があるように思われる。
 したがって,竜ノ口の急流を強調するには,上流側から撮る方がよいと判断したわけだ。上流側から下流側へ向け,岩で流れが大きく変化するような場所を手前におく。こうすることで,流れが激しいことが伝えられるあろう。また,中央からやや上にかけて流れが消えていくように配置すると,ちょうど,空も入らないようになり,好都合だった。
 竜ノ口のすぐ手前には,姉妹滝とよばれる滝がある。たいへん細い滝であるが,2つの滝が並んでいること,落差が大きいこと,そして水が美しいことから,見ごたえのある滝である。なお,この滝は,三段峡に右岸から流入する数少ない滝の1つである。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 100mm F3.5, E100VS

可部線(可部−三段峡)の廃止が近づいたころ,「可部線に乗る」ために三段峡駅を訪れた人も少なくなかっただろう。そして,すぐに列車で折り返してしまう人も少なくなかったのではないかと想像するが,ほんの1時間ほど(足の速い人なら30分もあれば大丈夫かも)の時間をさいて,竜ノ口まででも訪れれば,三段峡を知ることもできたはずである。そして,「三段峡駅は本当の三段峡よりもずいぶんと手前にある」などという誤解をすることもなかったのではないだろうか。


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