撮影日記


2006年11月11日(土) 天気:曇ときどき小雨

「常清滝の四季」
展示作品08 静寂

10月21日(土),22日(日)におこなった,「新・広島お気軽写真クラブ 第3回写真展」で展示した8枚目は,この写真である。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 100mm F3.5, E100G

常清滝における魅力的なシーンとして,「紅葉が美しい」という評判のほかに,「冬には凍結することもある」ということを耳にしていた。だから,冬になると,常清滝に訪れてみた。しかし,生半可な寒さでは,滝の凍結は見られないようである。
 何回かの冬が過ぎて,だいたい2月初頭ころに日本列島を襲う「この冬最大級の寒波」がこの地を訪れるタイミングで,凍結あるいは凍結に近い状態になる傾向があることに気がついた。ところが,実際に凍結あるいはそれに近い状態にあるのは,「もっとも冷え込んだとき」のせいぜい翌日くらいまでである。それがちょうど週末にあたればいいのだが,世の中,そんなに都合よくはできていないようだ。なぜか水曜日とか木曜日あたりがよいタイミングになるように思われた。
 そんなとき,週末に訪れても,すでに凍りついた流れは溶け去っている。ただ,積雪も多ければ,このように,岩につもった丸い雪のかたまりがコロコロしているところを目にすることになる。このとき,常清滝を訪れる人は多くない。水の勢いも少々弱く,いつもよりもさらに静かな空間が,そこには存在しているのである。

日陰の写真を撮れば,全体に画像は青味が強く見えるようになる。その青味が,寒さを強調して,こういうシーンではよい効果をもたらすこともあるだろう。しかし,ただの日陰であっても,妙に青味を強く感じるのがどうにも不自然で,私はフジのポジフィルムを積極的に使わないようになっていったのであった。


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