2006年11月03日(金) 天気:晴
太平洋に沈む夕日を見ることは あまりなかったかもしれない
広島というところに対するイメージは,「山」より「海」の方に対して強くもっている人が多いことだろう。たしかに,広島市に住んでいると,海を目にする機会は多い。海を見に行こうと思わずとも,ちょっと岩国なり,呉なり,三原なりへ行こうと思えば,自然に海のそばを通ることになる。
しかし,それらの海は,すべて「瀬戸内海」である。一般的に,多島海は美しい風景であるとされる。たとえば,宮城県の松島が,日本三景の1つに数えられるように。瀬戸内海,とくに広島近辺の風景は,それを少し大規模にしたものといえるだろう。そこは,水平線とは無縁の世界だ。
そんな瀬戸内海に沈む夕陽は,美しい。空が単純に赤く染まるだけではなく,多くの島影や航行する船などが写りこんでくる。しかし,たまには水平線に沈む夕陽を見たくなることもある。そんなときは,島根県へ行く。行き先や,高速道路を使うか使わないかによって差が出るが,クルマでだいたい2〜3時間も走れば,日本海に沈む夕陽を見ることができるだろう。
つまり,私の場合,太平洋に沈む夕陽というものを見る機会がなかったりする。
ところで,今日はたまたま和歌山の方へ来ており,太平洋に沈む夕陽を見る機会に恵まれた。しかも,天気は晴れ。とりあえず撮ってみたくなるわけである。
Nikon D70, AF Zoom-NIKKOR ED70-300mm F4-5.6D
ここには「写真を撮ること」を目的に訪れたわけではない。そのため,ディジタルカメラだけで,カメラはもってきていない。また,三脚をもってきているはずがなく,無謀にも手持ち撮影である。APS-Cサイズの撮像素子をもつディジタルカメラの場合,写しこまれる範囲は,ライカ判にくらべると,レンズの焦点距離で1.6倍相当になる。長焦点側が300mmのズームレンズの場合,最大で480mmレンズを手持ち撮影するようなものになる。幸い,被写体が夕陽であり,手前の人物などはシルエットにしてしまいたいので,露光時間はごく短くて済む。だから,手ブレはあまり目立たないであろう。また,もっと露光時間を短くしたければ,「感度」をあげるという手もある。1コマごとに「感度」を変えられることは,ディジタルカメラの大きなメリットの1つである。
ともあれ,うれしがっていろいろ撮った夕陽であるが,あとからこうやって見返したところ,これが「太平洋に沈む夕陽」であることを証明する要素はなにもない。たぶん,「日本海に沈む夕陽だよ」といえば,そう信じてもらえるだろう(笑)。ただ,瀬戸内海ではなかなか撮りにくい風景であることはたしかなはずだ。
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