撮影日記


2006年09月20日(水) 天気:晴

auto110でヒガンバナを撮る

先週は台風の接近もあったりして,天気のすっきりしない日も多かった。今週は一転して,好天が続きそうである。例年より1週間ほど遅いようだが,今年も土手に,ヒガンバナが多く見られるようになってきた。

花の撮り方にもいろいろあるが,もっともポピュラーな方法の1つとして,「マクロ撮影」があげられるだろう。ここでいう「マクロ撮影」とは,花や小物などに接近して,1/2倍程度の倍率(フィルム上に写った像の大きさが,実際の大きさの1/2倍程度であるという意味)で撮影することを指している。ところで,本来「マクロ撮影」とは,「原寸大以上の倍率での撮影」(フィルム上に写った像の大きさが,実際の大きさよりも大きい)という意味であるらしい。したがって,一般的な「マクロレンズ」による撮影は,厳密には「マクロ撮影」ではないことになる。ましてや,廉価版ズームレンズ等でよく見られる「1/4倍までのマクロ機能つき」などという表現は,大ウソつきの拡大解釈誇大表現以外のなにものでもないわけだ。しかし,一般的にはそれを「マクロ」と呼んで支障がないのが現状のようである。
 35mm判一眼レフカメラ用には,各社から「マクロレンズ」(ニコン様などメーカーによっては「マイクロレンズ」と称する。厳密には「マクロ」ではない,と主張しているのであろう。)が発売されている。それらの最大撮影倍率は,等倍のものが多い(1/2倍までのものでも,専用の中間リング等を介して,等倍撮影ができるようになっている場合が多い)になっている。この場合,フィルムには,36mm×24mmの範囲が写ることになる。

もし,中判カメラや大判カメラを使う場合はどうだろうか。
 もし,6×9判カメラで等倍撮影をおこなった場合,フィルムには,90mm×60mmの範囲が写ることになる。たとえばチューリップの花を等倍で撮影すると,35mm判では花のごく一部分しか写せないのに対し,6×9判では花全体が写ることになるわけである。最終的なプリントの大きさが同じであるとし,プリントの際にトリミングをおこなわないとすれば,35mm判で撮る方が部分を拡大して見せることが容易であることは,すぐに理解いただけるであろう。つまり,フィルムが小さいフォーマットほど,「マクロ撮影」に有利である,と考えることができるのである(つまり,プリント時にトリミングをおこなえば,実物に対するプリント上の像の倍率をより大きくできる,ということである)。

ということで,PENTAX auto110に「マクロレンズ」が用意されていなかったことが,たいへん惜しまれるのであった。

PENTAX auto110, PENTAX-110 50mm F2.8, GOLD ULTRA
最短撮影距離は0.9mである。もう少し「寄る」ことができれば,マクロ撮影も楽しめるであろう。

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