撮影日記


2006年09月05日(火) 天気:晴

小さいカメラから感じる無限大の感動

カメラはいつも持ち歩いていたい。そう考えている人は,少なくないだろう。
 もちろん,私も同感である。だから,「いつも持ち歩くための」小さく軽いカメラというものは,大いに魅力を感じるのである。
 小さく軽いカメラを求めて,いろいろなカメラを試してみた。たとえば,コンパクトカメラである。あるいはレンズ付きフィルムである。あるいはコンパクトさがウリの一眼レフカメラである。しかし,なかなか満足するものには出会えない。
 そんななかでも,FUJICA GERは,比較的満足度の高いカメラである。カメラは小さく軽く,ピント調整は二重像合致式距離計によっておこなえるので,撮影の安心感も高い。写りも無難なものである。ただ,最短撮影距離は0.9mで露出調整がプログラムAEである点が,少し物足りない。
 OLYMPUS XAは,さらに満足度が高い。FUJICA GERよりもさらに小さく軽く,おそらく,二重像合致式連動距離計を備えたファインダーをもつもっとも小さい35mm判カメラであろう。露出調整は絞り優先AEで長時間露光にも対応できる点や,専用のコンパクトなフラッシュを使えることもポイントは高い。全体的に,満足度は十分である。それでも,なお,最短撮影距離が遠いという不満が残る。
 「接写」の問題を解消するには,一眼レフを使うしかない。Nikon EMは,非常にコンパクトな一眼レフカメラである。これに,Ai NIKKOR 50mm F1.8Sという薄い標準レンズを組み合わせれば,たいへんコンパクトなシステムになる。実用性を重視すれば,これは最高といってもいいものになる。しかし,もっともっと小さくて軽いカメラがあれば,それにこしたことはない。

そこで,気になる存在が,PENTAX auto110であった。
 あのとんでもなく小さなボディにもかかわらず,レンズ交換も可能な一眼レフカメラなのである。PENTAX auto110とくらべれば,そのほかの110判カメラが生き残ることができなかった理由がわかるだろう。そう,せっかくの110判を生かしきっていないのである。もっともっと,カメラは小さくなったはずだ。そう,「ハリネズミカメラ」くらいまで小さくできたはずである。「ハリネズミカメラ」は「おもちゃ」であり,まともな「写真機」を期待すると,きっと裏切られるだろう。しかし,あのサイズで,しっかりしたレンズと,最小限のAE機構でも盛りこんだようなカメラが登場していれば,110判カメラはもうしばらく市場を賑わせていたものと思われる。

ペンタックス「オート110」とナショナル「ラジカメC−R3」。
どちらも同じ110判のカメラである。

実際に,PENTAX auto110を持ち歩いてみると,その小ささにはやはり,体の底から震え上がるような感動がある。咄嗟に取り出して,ファインダーを覗き,ピントをあわせるとき,ファインダー内にはかなり「期待」が持てる景色が広がっている。
 これこそ,「いつも持ち歩くための」カメラとして,究極のものかもしれない。
 ただ,PENTAX auto110の露出調整は,プログラムAEのみである。また,110判という絶対的に不利な条件では,十分な画質も期待できないだろう。「わかっちゃいるけど」カメラを買うのはやめられないのである(笑)。

「いつも持ち歩くための」ものとしては,コンパクトなディジタルカメラも選択肢の1つになる。十分に小さく軽いものもあるし,液晶ファインダーを利用すれば,一眼レフカメラのようにパララクスを意識しない撮影も可能である。たいていの場合,ズームレンズやマクロ機構も用意されている。
 もっとも,ディジタルカメラには,つねに電源を心配しなければならないという問題がある。これは,ディジタルカメラが陳腐化の激しい消耗電気製品である以上は,避けて通ることのできない問題である。また,画質的な問題もあるが,比較対象が110判であれば,むしろ最近のディジタルカメラの方が上回るようになっているかもしれない。
 そうだ,ペンタックスはいまこそ,auto110と同じサイズのディジタル一眼レフカメラを発売するべきなのだ!もちろん,レンズは,auto110と互換性をもたせて,発売価格はできるだけ安価に・・・・・。

ともあれ,「しっかり写ること」「いろいろな場面に対応できること」「小さく軽いこと」すべてを満足させることは,なかなか難しいのであろう。

フジカGER

オリンパスXA

ニコンEM

ハリネズミカメラ


← 前のページ もくじ 次のページ →