撮影日記


2006年08月31日(木) 天気:雨

これが17mmの世界だ

最近,「16ミリカメラ」に興味がわき,そして,「ミノルタ16PS」というカメラを入手した。しかし,フィルムがなく,使用できない状態である。もしも試し撮りができたなら,「これが16ミリの世界だ」というタイトルで,1回分の日記を書けるのだろうが。。。。

というわけで,今日のタイトルの「17mm」というのは,フィルムのことではない。レンズの焦点距離のことである。
 17mmという焦点距離のレンズは,35mm判フルサイズ(ライカ判)のカメラにおいては,「超広角」レンズである。一般的に,標準レンズとよばれるものは50mmくらいのレンズであり,広角レンズとよばれるものは,35mmないし28mmくらいのレンズである。超広角レンズとよばれるものは,それよりもさらに焦点距離が短いものであり,より強烈な遠近感をともないながら,より広い範囲を画面に写しこむことになる。もっとも,このような分類は厳密なものではない。かつては28mmレンズが超広角レンズとよばれていたこともある。最近では35mmレンズをあえて広角レンズとよばない人もあるようで,さらに,短焦点側が24mmくらいのズームレンズも珍しくなくなっているので,24mmレンズを超広角レンズとよばなくなった人もあるだろう。
 また,ライカ判よりも画面の狭い,最近のディジタル一眼レフカメラ用に,イメージサークルを狭くするかわりに,これまでよりもずっと短焦点なレンズも多く発売されている。したがって,20mmよりも短焦点なレンズすら,もはや珍しいものではない。もっともその場合,画面が狭いために,焦点距離は短くても,写角の大きさ(カメラを中心に何度くらいの範囲を写しこむか)も狭いのである。
 ところで,超広角レンズは一般に高価なものである。だから,ライカ判用で20mmよりも短焦点なレンズは,やはり一般的なものではない。

超広角レンズの特徴は,なによりもその強烈な遠近感である。そのため,主となる被写体にぐぐっと寄って撮れば,ふだんあまり目にすることができないような,迫力のある構図が得られる場合がある。また,少し絞りこむことによって,かなり深い被写界深度を得ることもできるので,どんどん寄って撮るのがいいだろう。
 そんな超広角レンズの世界を,お手軽に試すことができるものが,コニカ「撮りっきりコニカMINI WaiWaiワイド」である。いわゆる「レンズ付きフィルム」であるが,17mmレンズを搭載しており,ISO1600の「センチュリア1600」が装填されていて,絞りはF11に固定,シャッター速度は1/100となっている。
 まあ,写りについては,「レンズ付きフィルム」であるといえるだろう。遠景は甘く,近景はそこそこ使えそうな感じである。とくにこれは「自分撮り」(腕を伸ばして,レンズを自分の方に向け,自分で自分を撮影すること)ができることを1つのセールスポイントにしているため,近景の方が描写がよくなるように考えられているのかもしれない(被写界深度を利用しているとはいえ,最短撮影距離は0.4mということになっている)。

Konica WaiWai Wide, 17mm lens, Centuria1600

Konica WaiWai Wide, 17mm lens, Centuria1600

コニカミノルタは,2006年1月14日付けのプレスリリースで,「カラーフィルム、カラーペーパーにつきましては、お客様のご要望に配慮し、段階的に品種の絞り込みを進め、06年度下期末までに生産を終了致します。」と公表している。したがって,「撮りっきりコニカMINI WaiWaiワイド」の生産終了も時間の問題であろう(すでに終わっているのかもしれない)。
(http://konicaminolta.jp/about/release/kmhd/2006/0119_04_01.html)
 このようなおもしろい商品が,やがて入手できなくなるのは,寂しいものがある。フィルムの詰め替えをしたり,レンズを取り出してほかのカメラで使えるようにしたり,ということも,いずれ考えてみたいものである。そのためには,もう2つ,3つほど,「撮りっきりコニカMINI WaiWaiワイド」を入手しておこうかと思ったりもする。


← 前のページ もくじ 次のページ →