撮影日記


2006年06月10日(土) 天気:晴

命名権

ここ数日,「広島市民球場」の「命名権」が,ニュースになっている。広島市民球場は,設備の老朽化が目立っており,「広島東洋カープ」の本拠地として使用する球場の建て替え等の検討がすすんでいる。その資金調達のために,「広島市民球場」の「名前」を「売る」ことが検討されているのである。

最近,球場の名前を「売る」ケースが目立っている。たとえば,「福岡ドーム」が「ヤフードーム」になったり,「神戸グリーンスタジアム」が「スカイマークスタジアム」になったような例がある。このようなケースが「目立つ」と感じるということは,それだけ名前をつけた「企業」等の宣伝効果も大きいということである。
 「広島市民球場」が「命名権」を「売る」ことは,決定した事項ではない。「命名権」を「売る」かどうするか,検討をはじめた段階である。しかし,すでに3件の「購入希望」が表明されたと報道されている。それだけ,球場の「命名」には宣伝効果が高く,企業としても魅力的なのだろう。
 報道によれば,「購入希望」を表明している企業は,造船会社,不動産会社,スーパーマーケットの3社とのことである。この不動産会社は,現在は,マンション販売を積極的におこなっている会社のようだが,一連の「耐震偽装問題」で「マンション販売」のイメージが悪化しているだろうから,こういう積極的なアピールをおこないたいのかもしれない。
 「広島市民球場」の名前を「売る」ことについては,「新しい球場をつくる資金にあてるのなら賛成」という意見がある一方で,「『広島市民』という名前をはずすことには反対」という意見もあるようだ。ところで,先の3社がどんな名前を球場につけるだろうか,ちょっと想像してみたい。たとえば,不動産会社は,売り出し中のマンションのシリーズの名前をそのまま球場名にするのではないだろうか。そうすると「広島市民」ということばは失われるかもしれない。一方,先のスーパーマーケットは,「YouMe(ゆめ)タウン」という名称の,大型ショッピングセンターを展開している。この名前であれば,たとえば「広島市民YouMe(ゆめ)球場」という名前にしても不自然に感じることはないだろうし,そのショッピングセンターのロゴマークも利用すれば,企業の強烈なアピールにもつながることだろう。
 もし,「広島市民球場」の名前を「売る」としても,「売る相手は,値段だけでは決めないだろう」という可能性も示されている。ということで,個人的には,「『広島市民』という言葉をはずさないこと」という条件をつけて「売る」というのも,1つの方法ではないかと思うのである。球場の名前は,企業の宣伝になるわけだが,そこに「都市名」がはいっていれば,その都市の宣伝にもなるのである。

「広島市民球場」の建て替えについては,「現在地で建て替え」案と,「広島駅東側の貨物ヤード跡地に移転」案の2つがあった。現在は「貨物ヤード跡地に移転」という方向で検討がすすんでいるが,個人的にはこの機会に「現在地での建て替え」や「リニューアル」などの方向についても再検討をしていただきたいと思っている。「原爆ドーム」という象徴的な場所に,大きな道路をはさんで野球場が隣接していることも,1つの平和の象徴に思えるからである。まさに,広島を,明るく照らし続けていた存在のはずだからだ。

Nikon D70, AF DX Zoom-NIKKOR ED18-70mm F3.5-4.5G
Nikon D70, TAMRON SP 500mm F8 (55B)

← 前のページ もくじ 次のページ →