撮影日記


2006年05月29日(月) 天気:晴

α-8700iを使ってみる

2100円で購入した「α-8700i」は,ファインダー内表示の液晶漏れがあって,露出計が視認しがたくなっている。マニュアル露出モードで使うときには,少々苦労しそうであるが,AE撮影であれば,さほど問題にはならないだろうと思う。シャッター速度や絞り値の読み取りには,今のところ支障は出ていないからだ。
 そもそも「α-8700i」は,マニュアル露出モードで使うのに適したカメラではないと思う。なぜならば,マニュアル露出モードのときの,絞り値の変更操作がわずらわしいからだ。「α-8700i」のグリップ部には,小さなレバーがついている。これを左右に動かすことで,さまざまな設定値を変更できる。P(プログラムAE)モードのときは,プログラムシフト(露光量を一定に保ったまま,シャッター速度や絞りを変更すること)をおこなうことができる。S(シャッター速度優先AE)モードのときはシャッター速度を,A(絞り優先AE)モードのときは絞り値を変更することができる。ここまでは,合理的である。しかし,M(マニュアル露出モード)のときは,このレバーはシャッター速度の変更をおこなうために使われる。絞り値を変更するときは,マウント部横のボタンを押しながらこのレバーを操作しておこなう。この操作だけ,2つの動作を同時におこなう必要があり,煩雑に感じられるのだ。
 同じ時期のニコン様の同クラスのAF一眼レフカメラは,「F-801」様である。キヤノンEOSをはじめとする最近のAF一眼レフカメラは,2つのダイヤルがあって,それぞれがシャッター速度や絞り値を変更するために使えるようになっているが,「F-801」様はまだ,ダイヤルは1つしかない。しかし,そのダイヤルは,プログラムシフトやシャッター速度の変更に用いられ,絞り値の変更に用いられることはない。絞り値は,旧来通り,レンズ鏡胴にある絞りリングを回して設定するようになっているからだ。「F-801」様のようなユーザインタフェースは,一眼レフカメラとしては,旧態依然としたものである。しかし,1つのダイヤルに1つの機能を割り当てるという方法は,操作がわかりやすくてよい結果につながる。

マニュアル露出モードのときには使いにくいと感じる「α-8700i」だが,AEで使用する場合は,1つのレバーに「シャッター速度」の変更と「絞り値」の変更という2つの機能が含まれていることは,むしろ操作がわかりやすくなるというものだ。「α」シリーズは,AFおよびAEの実用性を,広く知らしめることができたカメラだといえるだろう。「α」シリーズは,オートで使うことを前提にしたカメラなのである。軍艦部にある「P」ボタンを押すと,いろいろと設定を変更していても,「プログラムAE」の標準的なモードにすぐに戻すことができる。「α-8700i」はシリーズ最上位機種であるが,それでも初心者受けしそうな機能を盛りこんでいるあたり,オートで使うことを前提にしていることを強く主張しているものと思われる。

軍艦部の「P」ボタン

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