撮影日記


2006年05月27日(土) 天気:雨

長距離普通列車

東京方面への出張から帰ってきた。今回,帰路には「ムーンライトながら」を利用した。この列車は,東京と大垣(岐阜県)を結ぶ,夜行の普通列車である。ここ数年,ダイヤ改正のたびに夜行列車が廃止されている現状があるが,夜行の普通列車も少なくなってしまった。毎日運転されているものは,この「ムーンライトながら」と,東京と新潟を結ぶ「ムーンライトえちご」だけである。
 「ムーンライトながら」は,かつては「大垣夜行」とよばれていた。1996年から「ムーンライトながら」という愛称名がつけられると同時に全車指定席の列車になったが,それまでは全車自由席で愛称名もない夜行の普通列車だったのである。さらにその前身は,東京と大阪を結ぶ,夜行の普通列車だったという。
 夜行の普通列車は,同時に,長距離を走る普通列車である。いまや長距離を走る普通列車というものも,たいへん少なくなってしまっている。「ムーンライトながら」は,東京−大垣の410.0km(時刻表に記載の営業キロ数による)を結んでいる。ほかに,このような長距離を結ぶ普通列車(急行・特急料金を必要としない列車)がどれくらい残っているのか,時刻表を眺めてみることにした。

「ムーンライトながら 大垣行」の表示

まず,北海道を見てみよう。しかし,一見してわかることだが,函館本線でも,長万部,小樽,札幌などの主要駅を越えて運転される列車がほとんどなく,200km以内の距離で運転されており,300kmを越えて運転されるような長距離普通列車は,なかなか見られない。主要駅を中心とした,地域の輸送の実態に合わせているのだろうか。いろいろ眺めてみると,滝川発釧路行の列車(2429D)が308.4kmで,北海道内でもっとも長距離を走る普通列車のようである。東京−新潟の「ムーンライトえちご」の運転される距離も,わずかに336.8kmである。
 北陸本線,紀勢本線,山陰本線など,かつて多くの長距離普通列車が走っていた区間も,合理化がすすんだり,電化が進んだりして,長距離を走り続ける普通列車は,みられなくなっている。
 いろいろと眺めてみた結果,山陽本線を走る普通列車が,意外と長距離を走っていることに気がついた。岡山−下関の列車が384.7kmである。惜しいことに,わずかに「ムーンライトながら」におよばない。もし,下関から岡山を越えて,和気あたりまで運転されていたりすれば,なんとか日本最長距離普通列車になることができたかもしれない。

時刻表2006年4月号

よく考えてみたら,寝台ではない夜行列車に乗るのは,久しぶりのことである。前にそういう列車に乗ったのは,いつのことだったのか,もはや記憶にはない(たぶん,大阪−広島の臨時列車「ムーンライト山陽」だったのではないかと思うのだが)。「ムーンライトながら」は,比較的新しい特急用の車輌を使っているため,乗り心地もよく,静かである。座席もわりとゆったりしているのだが,寝台とくらべれば,やはり狭くるしいし,横になることができない。そのせいか,熟睡できず,駅に止まるたびに目を覚ましたような気がする。
 静岡や豊橋ではそれぞれ30分近く停車するので,ついでに少し車外へ出てみることにした。寝台車だったら,けっこう熟睡できてしまうし,夜中に停車することもあまりないので,こういう冷たい空気に触れる機会もなかったりするのだ。

豊橋に停車中の「ムーンライトながら」
MINOLTA α8700i, MINOLTA AF35-70mm F4, JX100

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