撮影日記


2006年05月04日(木) 天気:晴

カメラ映像機器総合カタログ

かつて,「日本カメラショー」というイベントがあった。カメラメーカーが集まって,各社の製品を展示・説明する場である。そこで配布される「カメラ総合カタログ」は,カメラが好きな人であれば,必ずや何冊かはお持ちのことであろう。「日本カメラショー」は,「日本写真機工業会」によって1960年に第1回が開催された。一時は,全国各地で開催されていたこともあるようで,1年間に「カメラ総合カタログ」が何度も改訂されていたこともある。最近は,「フォトイメージングエキスポ(PIE)」として,3月に東京でおこなわれている。
 さて,今年も「カメラ総合カタログ」を購入したが,大きな変化が2つあった。

まず1点は,書名が変わっていたことである。これまでは「カメラ総合カタログ」という名称が必ずはいっていたのであるが,今年のものからは「カメラ映像機器総合カタログ」というものになっている。
 カタログを開いてみよう。内容は,メーカーの50音順に掲載されている。長い間,その冒頭にあったメーカーは,「旭光学」であった。「旭光学」「エルモ」「オリンパス」「カコ」「キヤノン」・・・・・などと続いていたのである。その後,「エルモ」や「カコ」は過去のものとなり,「旭光学」は会社名をブランド名と同じ「ペンタックス」に変更して「ニコン」や「フジ」よりも後のページに移動してしまった。最近,会社名とブランド名を統一するケースが多いように思うが,「旭光学」を「ペンタックス」に変更したことは,正しい選択だったのだろうか?たとえば,職業別電話帳では,できるだけ先頭に掲載されるように,「アアアアアアア○○社」などという「はぁ?」という名称で掲載されるような努力が見られるケースがある(興信所などに多く見られるような気がする)。「旭光学」は「カメラ総合カタログ」の冒頭に掲載されるという「大きなメリット」を自ら放棄したのだ。余計なお世話かもしれないが,私は,その選択はほんとうに正しかったのか?という疑問を感じている。
 さて,今年のカタログで,冒頭にあったメーカーは「HP(ヒューレットパッカード)」である。掲載されている商品は,家庭用プリンタが中心である。「HP」の次は,「エプソン」だ。こちらの商品は,家庭用プリンタや家庭用スキャナが中心である。これらのメーカーには,「カメラ」や「映像機器」メーカーというよりも,「パーソナルコンピュータの周辺機器」メーカーというイメージが強い。このようなメーカーが,このカタログの冒頭をにぎわせていることには,おおいなる違和感を感じるのである。
 次にようやく,「カメラ総合カタログ」時代からのなじみのあるメーカー,「オリンパス」(オリンパスイメージング)が登場する。しかし,そこに掲載される商品の中に,「カメラ」はすでにない。あるものは,「ディジタルカメラ」ばかりである。そして,「カシオ」をはさんで「キヤノン」に到達してはじめて,カタログに「カメラ」が登場するのであった。
 もはや,この内容は「カメラ総合カタログ」ではない。たしかに,「カメラ映像機器総合カタログ」なのである。商品の1つ1つに「ディジタルカメラ」「フィルムカメラ」という記号が,丁寧につけられていたりもする。

大きな変化の2つめは,判型が大きくなっていることである。これまではB5判だったのだが,A4判になっている。
 B5判であれば,ホームセンターで安価に購入できるカラーボックスにきれいにおさまるのであるが,A4判では,もう入らない。非常に迷惑である。判型がかわったことで,内容的に,もう,過去の「カメラ総合カタログ」とは別のものになってしまったことを表現しているのであろうか。


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