撮影日記


2006年03月12日(日) 天気:強風で寒い曇の日

JPA展を見た

県立美術館で,「JPA展」が開かれていたのを見に行ってきた。「JPA」とは,「日本写真家協会」という団体で,作品としての写真を発表している人たちの団体であるといえる。展示される作品は,JPA会員の作品と,公募入選作品である。この写真展は,1月に東京で,2月に大阪でそれぞれおこなわれた後,今月,広島でおこなわれているのである。東京と大阪だけでなく,なぜ広島でもおこなわれるようになったのかは少し気になるが,ともあれこれはたいへん貴重な機会である。そして,今日は最終日である。
 県立美術館は,人出が多いようだ。もっともほとんどの人は,「JPA展」ではなく「ルーブル美術館展」の方に向かうのであろう。「JPA展」は,「ルーブル美術館展」を訪れる人が立ち寄ってくれることを期待して,ここで開催することになったのだろうか?と,邪推してみる。「JPA展」は入場無料だし。

さて,会場である,県立美術館地下のギャラリーに入ると,もうそれだけで衝撃を受けた。やはり,作品の質が高い。1つ1つの写真そのものがもつ力もあるだろうし,見せ方にも細かい配慮がいろいろとされているようだ。
 なによりも,大きくプリントされた写真は,やはり迫力が違う。WWWを通じて見ることができる,PCのディスプレイ上の画像や,ふつうの雑誌に掲載された程度の写真では,その写真のほんとうのよさは,絶対に伝わらないだろう。写真は,記録手段であると同時に,伝達手段である。そこに写ったものが,相手になにかを伝えるのだから,PCのディスプレイや小さな印刷物くらいでは,作者が本当に伝えたいもののごく一部しか伝えられていない。もちろん,PCのディスプレイ上で最高の結果が出るような表現をすることを否定するつもりはない。また,被写体によっては,大きすぎるプリントは似合わないものもあるだろう。しかし,大きくプリントされた高品位の作品を目にすると,そういう考えはとりあえずこっちにおいといて,大きくプリントした「作品と呼べる写真」を作りたくなるのである。
 また,内容面で見ても,さまざまなものがあった。一般的にきれいに見えるものでも,単にきれいなだけではなく,なにかしら伝わってくるものがあったりする。あるいは,ふだんあまり目を向けないものを撮って,ドキュメンタリーっぽく迫ってくるものもある。合成されたもの,コラージュされたもの,実にさまざまだ。激しく,刺激を受けることのできる,いい機会になった。このような写真展が,次回以降も,広島で開催されることを望みたい。

で,今日の結論。

「写真は,展示しなければ意味がない。展示された写真を見ることは,いい刺激になる。」

ところで,「JPA展」を見たあとのこと。
 最近しばらく寒さのゆるんだ日が続いていたが,今日は少々風が強くて寒い。こんな日は,あたたかいラーメンなど,食べたいものだ。県立美術館から,広電白島線を渡って,「ななしや」で食べていると,初老の男性数人のグループが入ってきたようだ。店員さんが,メニューの内容を説明しているようだったが,なぜ,こんな会話が気になったのかというと,そのうち1人が「ラーメンは好きじゃない」と大きな声で言っていたのが聞こえたからである。だったら,ラーメン屋に入らない方がいいと思うのだが,人それぞれ,そこにはなんらかの事情があったのだろう・・・。

SAVOY ROYER II, BERTHIOT 50mm F2.8, JX100

風が強い中,昨日いただいた「サボワ・ロワイエII」の試運転をはじめてみた。しかし,あまりに風が強かったため,いまひとつ,フィルムの消費は進まないのであった。しかも,このピンボケはなんだ!?


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