撮影日記


2006年03月05日(日) 天気:晴のち雨

梅の咲くころ

2005年12月1日の「撮影日記」でも書いたように,最近,私が立ち寄ることの多い「カメラのキタムラ」のある店では,コニカミノルタ「JX100」というネガカラーフィルム(24枚撮り)が,1本88円で売られていた。そして,近くを通るたびに,5本くらいずつ買っていた。
 先週,ここにコダック「HD400」というネガカラーフィルムが1本,まぎれこんでいるのを見つけた。「特価98円」という値札が貼られていたので,迷わず買ってみることにした。
 今日もこの店に立ち寄ってみたのだが,「JX100」が入っていたワゴンは,なくなっていた。コニカミノルタのフィルムの終焉を象徴するかのようなできごとである。

さて,今日も天気がよい。しかし,夕方からは雨になるという。天気の変わりやすい日が続く。

最近のお散歩コースの近くに,いくつかの梅が見られる。先週くらいからぼちぼち咲き始めたようで,たまにその木の周辺でカメラを持つ人の姿をみかけたりもする。それがすっかり咲いた状態になっているので,私もちょっと撮ってみることにした。
 個人的に,梅というのは,写真に撮るのが苦手である。というか,写真に撮りたくなる梅を見つけ出すことができていない。そのためこれまでほとんど撮ったことがなかったのであるが,たまにはチャレンジしてみることも大切だろう。さっそくだが,「HD400」を使ってみることにしようと思う。ただ,すでに販売が終了となってしまったので,私にとっては最初で最後の「HD400」体験になるわけだ。「HD400」は,その名称の通り,感度がISO 400のフィルムである。比較的高速シャッターが使えることになるので,被写体ブレの影響も少なくできるであろう。また,レンズを開放で使う可能性も考えれば,私が所有するカメラで唯一1/8000秒の高速シャッターが使えるF−801様にご登場いただくことにしよう。

Nikon F-801, Ai Micro-NIKKOR 200mm F4, HD4

コダック「HD400」は,「シャープネスと色再現性を究めた」フィルムであると,宣伝されている。その性格がよくあらわれているのか,描写は全体に硬調に感じる。けっして軟調な描写を示さない,マイクロニッコールを使っていることを差し引いても,硬調である。花の写真には向いていないフィルムだったようだ。むしろ,鉄道車両を撮るのに使った方がよかったかもしれない。

Nikon F-801, Ai Micro-NIKKOR 200mm F4, HD4

梅の花に,多くのハチが集まってきていた。ハチのやってきそうな花に狙いを定め,ハチが訪れるのを待つことにする。このような被写体であれば,硬調さがハチの存在をひきたたせるのに貢献できているかもしれない。しかし,このフィルムはやはり花を撮るのに適したものとは言いがたいだろう。もし花を撮るのに使うとすれば,図鑑に使うような写真を撮るときに,適しているかもしれない。
 さて,住宅地の近くにあるような梅の木を撮る場合,背景が雑然としたものになりやすいため,その全景を撮ることを考えるのは難しい。もしも背景が,自分のイメージにあうものであれば,ツボミがふくらみはじめるころの,木全体がほんのりと色づいた雰囲気も美しいのであるが,この場所は,そういう撮り方には少々似合わない。そこで,必然的に,マクロ撮影ということになったわけだ。
 ま,この木は,近くの訪れやすい場所にあるので,またいろいろと撮ってみることにしよう。

ということで,今日の結論。

その全体を撮りたいとか,特別な背景などとからめて撮りたいとか,そういう事情がないならば,花の写真を撮るときは,身近なところで被写体を見つけ出すようにすべきである。


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