撮影日記


2006年01月19日(木) 天気:曇

コニカミノルタの衝撃的な発表

午後,衝撃的なニュースがあった。

「コニカミノルタ,カメラ事業,フォト事業から撤退」

2つの「老舗」ブランドが消える・・・・。

コニカミノルタが,昨年11月に,カメラ・写真関係の事業において,ディジタル一眼レフカメラ以外からの撤退をほのめかすような発表をおこなったことは,まだ,記憶にあたらしいことだろう。それから2ヶ月ほどしか経たない今日,カメラ・写真関係の事業からの完全な「撤退」を表明したのである。先週のニコン様の「(フィルム)カメラからの事実上の撤退」とはくらべものにならない重い発表である。ニコン様の場合は,事実上の撤退といっても,1機種だけだが生産を続けるとしているし,ディジタルカメラについては今後も開発を続けるという。一方,コニカミノルタの場合は,ディジタルカメラも含めて,すべて撤退するというのだ。
 コニカミノルタの発表によれば,「ミノルタα」シリーズの資産は,ソニーに譲渡するという。そして,製品のアフターサービスも,ソニーに委託するという。一方,「コニカ」のフィルムに関しては,完全に終了するようだ。
 (http://konicaminolta.jp/about/release/kmhd/2006/0119_04_01.html)
 近年,コニカミノルタは,ディジタルカメラの市場で苦戦が続いていたようである。コンパクトディジタルカメラの分野でも目だたない存在だったし,一眼レフディジタルカメラの分野では,ニコンとキヤノンの2大勢力が市場の大半をおさえている状態である。また,ディジタルカメラの主要部品である撮像素子を自社開発していないデメリットも大きいと判断しての撤退であろう。
 一方のソニーとしては,コンパクトディジタルカメラでは一定の人気を保っているようだ。そこにより高価格な一眼レフディジタルカメラをラインアップに加え,製品ラインアップの充実,売上の増加,ブランドの魅力アップなどを考えていたものと思われる。

ところでソニー製品というと,「ソニータイマーが内蔵されている」と揶揄されるなど,よくないイメージを持っている人も少なくないようだ(私も,モーターの使われている製品に関しては,そういうイメージを持っている1人だが(^^;)。ちなみに,「ソニータイマー」とは,「ソニー製品は,保証期間が切れたころに特定の箇所が必ず故障するように設計されている」という都市伝説(根拠の不明確な一種のうわさ)をあらわすことばである。
 そもそもカメラは,長年使えるものである。50年前のライカなど,平気で使っている人はいくらでもいる。30年前のニコンであれば,使っていてあたりまえだ。そういう性質の製品に「故障が約束されている」というのは,大きな不安を生じる。昔のライカやニコンFが人気だったのは,なかなか故障しない(故障してもなんとか撮影を続行できる)ことも,大きな要因だったとされている。「ソニーに譲渡」ということに不安を感じる要素の1つであろう。
 しかし,今後ソニーから発売されるものは,間違いなく,「αシステムに準拠したディジタルカメラ」である。ディジタルカメラは,カメラではない。家電製品,パーソナルコンピュータの周辺機器である。陳腐化の激しい,消耗電気製品である。量販店で買えば,「5年保証」などのサービスを受けられる時代における消耗電気製品は,5年ももてば十分であるし,陳腐化の激しい製品であるから,5年も経てば買い換えたくなるものである。したがって,その点においては「不安」に感じる必要はないだろう。

そして。

カメラマニアや,本格的に写真に取り組んでいる人を除いた,すなわち大多数の「ディジタルカメラ,そろそろ欲しいなあ」と思う人たちにとっては,「ミノルタα」というよりも,「ソニー サイバーショットα」という名称の方が「カッコイイ」「欲しい」と思うのではないだろうか。
 長年,ミノルタαシリーズのカメラを使ってきた人にとっては,「寂しさ」や「不安」を感じるのはしかたないことだろう。しかし,今後とも販売が継続されるのであれば,交換レンズなどの部品の供給も続くわけで,αシリーズのカメラを使い続けることについては,大きな問題にならないのではないだろうか。
 今回の発表による打撃が大きいのは,コニカのフィルムを主に使ってきた人たちであろう。

そこで,結論(といっていいのかどうか・・・)。
 時代はすでにディジタルカメラ。「どの機種がいいか」の前に,「自分に必要か」を考えて,必要と思ったならば,買うべしであろう。


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