撮影日記


2005年12月05日(月) 天気:雪のち晴

ニコノスIV-A様と雪の朝

天気予報は,あたった。
 朝,目が覚めると,外は真っ白な世界である。
 広島市内の場合,年に何回かはこういう日もあるが,12月はじめにこれだけの雪が降るケースは,近年はあまり多くないのではないだろうか。

仕事にでかける頃には,地面の雪はかなり融けはじめていた。ときどき,白い塊が降ってくる。電線についた雪が落ちてきているのだ。電線から落ちてくる白い塊,固まっていない雪だから,直撃を食らっても,冷たい思いをして,少し濡れるだけだから,まあ,よしとしよう。何年も前の秋のある日,ハトが多くとまっていた電線から降ってきた,白い塊の直撃を受けたことにくらべれば,被害は「ない」に等しいんだから。そういえば,それは教育実習に行く朝だったかな。
 そのあたりは,多くを語らないことにする。
 さて,雪が積もっているなら,なにか写真を撮りたくなるかもしれない。そこで,当然のようにカメラを持ち出すことにした。雪だから,というわけではないが,今日は「ニコノスIV-A」様とお出かけである。

「ニコノスIV-A」様は,水深50mの水中でもそのまま撮影が可能な防水カメラである。したがって,雨や雪にちょっとあたった程度では,なんのダメージも受けることはない。キヤノン「EOS−1v」などのいわゆるフラッグシップ機がいかに防滴性能を誇示しようと,そんなものは月とスッポンポン,言語道断横断歩道である。などと言ったところで,写真を撮る道具として,どちらが使える場面が多いのかは,ちょっと考えればわかるだろう。「ニコノスIV-A」様のピント調整は目測式である。ビューファインダーには,パララクス補正などのしくみもない。つまり,精密なピントあわせやフレーミングとは,まったく無縁のカメラである。これを短所ととらえるべきか,あるいは,細かい調整に気を取られることなく,気軽にシャッターをレリーズしていくことができるという長所ととらえるかは,人によって違いがあるだろう。ただ,多くの人はどちらを選ぶだろうか,だいたい予想がつくというものだ(きと,ニコノス様は,選ばれないだろう)。
 そんな「ニコノスIV-A」様の,防水性能以外の長所をさがしてみよう。まず,今日のような寒い朝には,手袋をしたままでも操作が容易な点に,「ニコノスIV-A」様のありがたみを感じることもできるだろう。冬の常清滝の撮影で,どれくらい活用できるかも,楽しみである。また,「ニコノスIV-A」様は,シャッターのショックが感じられないことも,大きな特徴といえるだろう。一眼レフではないのでミラーの動作もない。密閉性が高く,サイズのわりには重いボディのなかで,シャッター幕だけが動いているのである。そのせいか,シャッターのショックがあまり感じられず,その音もたいへん静かである。ピント調整は,単体の距離計を使っておこなえばいいわけで,もしかすると舞台撮影にも適しているのかもしれない(まあ,私がそういう写真を撮影する機会はないので,確かめようはないのだが)。
 雪の積もる静かな朝に,静かな神社の境内に向かってシャッターを切った。「ニコノスIV-A」様は,この空間にシャッター音を響き渡らせるような無粋なことは,なさらない。

Nikon NIKONOS IV-A, NIKKOR 35mm F2.5, Konica JX100

こんな日,三段峡などはどんな状況になっているだろうか。そういえば,2002年の三段峡は,11月10日にはすでに深い雪に埋もれていたことを思い出した。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 75mm F5.6, E100VS

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