撮影日記


2005年07月14日(木) 天気:曇ときどき晴

フラッシュ内蔵の距離計連動機
キヤノンA35デートルクス
(キヤノンナイター)

昨日,「多山文具」にでかけたついでに,「大洲カメラ」にも立ち寄ってみた。決して,「大洲カメラ」に行きたくなったので,「多山文具」にでかける用事をつくった,というわけではない。たぶん,そう思う。

今回,発掘したカメラの1つは,「キヤノンA35デートルクス」というカメラである。外見は,従来からある距離計連動コンパクトカメラであるが,2つの特徴がある。
 1つは,その名称「デート」が物語る,日付写しこみの機能である。現代のカメラによく見られる,クオーツ時計を内蔵した,「オートデート機能」ではない。鏡胴部にあるダイアルを手動でセットするようになっているものである。ただし,このダイアルの「年」については,「78〜88」および「0〜9」しかない。つまり,あと4年は使えるということである(それ以後は,「年」を空欄にするしかないだろう)。
 このカメラには,「A35デートルクス」という名称のほかに「ナイター」という愛称もつけられている。この愛称は,このカメラがフラッシュを内蔵していることを示すものである。

Date dial, Flash on

「コニカC35EF」つまり初代「ピッカリコニカ」以後,コンパクトカメラには,フラッシュが内蔵されることが一般的になった。「コニカC35EF」は,コンパクトさをウリにしていた「コニカC35」シリーズの流れを受け継いでおり,機能的には距離計連動機能を省いた廉価版「コニカC35 E&L」にフラッシュを内蔵したようなものとみなすことができる。そのためか,「コニカC35EF」につづくフラッシュ内蔵カメラはすべて,連動距離計をもたず,ピント調整方法にはゾーンフォーカスを採用していた。
 しかし,「キヤノンA35デートルクス」だけは,違ったのである。これは,「キヤノネットG-III」と似たボディサイズとデザインのカメラで,そのファインダー部分を流用したのではないか,と想像したくなるカメラである。結果として,このカメラは,おそらく「唯一の」フラッシュ内蔵距離計連動35mm判フルサイズカメラになったのである。

・・・・ということを,先日の大阪の方に問いかけてみた。すると,

「いやあ,ほかにもフラッシュ内蔵距離計連動カメラはあるよ。」

という。「それはなんですか?」とたずねたところ,返ってきた答は,次のようなものだった。

「(安原製作所の)『秋月』を忘れるなよ。」


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