撮影日記


2005年06月04日(土) 天気:曇のち晴

エアレリーズ

写真は,ある一定の時間,フィルムなどに光を感じとらせ,それを静止した画像としたものである。その時間は,ごく短いものであっても,カメラ(あるいは被写体)が不用意に動くことにより,線が線として,点が点として,写らなくなる。つまり,不鮮明な写真になってしまう。カメラが動いてしまったことによるものは「カメラブレ」,被写体が動いてしまったことによるものは「被写体ブレ」とよばれる。
 風景写真であれ,人物写真であれ,意図しない「ブレ」は写真の大敵である。もちろん,動きを強調するなどの目的で,意図的に「ブレ」させたものもあるだろう。動く被写体を写すときに使われる「流し撮り」という手法は,「ブレ」をうまく活用した方法の1つといえるかもしれない。どちらにせよ,十分な練習の必要がある,高度なテクニックの1つと考えていいだろう。
 「ブレ」というものは,小さな原版を見ただけではわかりにくく,大きく伸ばしてはじめて気がつくことも少なくないようだ。

一般的な「ブレ」を防ぐには,どうすればよいだろうか。まずは,カメラを固定すること。次に,カメラに余計な振動を与えないことである。
 カメラを固定するには,大きくて重い三脚を使うのが近道である。三脚を買うときは,予算と体力の許す限り,大きくて重いものを選ぶべきである。とくに険しいわけでもない場所で,大きなカメラと大きなレンズを割り箸のような三脚に載せていたら,笑われるだけである(手持ち撮影に徹する方が,潔い)。また,大きくて丈夫だが軽い,カーボン三脚というものがある。これは,重量が大きな問題になってくる登山などの現場では,大いに有効かと思われる。個人的には,カーボン三脚を使うことを,「老後の楽しみ」としてとっておくつもりだ。
 カメラは,シャッターを切るときに,どうしても振動が発生する。フォーカルプレンシャッターのカメラや一眼レフカメラは,リーフシャッター(レンズシャッター)式の一眼レフではないカメラにくらべて,どうしても大きな振動が発生する。大きく重い三脚があれば,それらの振動はかなり吸収できるであろう。一眼レフカメラであれば,ミラーアップ機能は,積極的に使いたい。
 このとき,ケーブルレリーズなどを使って,カメラボディに手を触れずに,シャッターを切る方法を使う人も多い。しかし,ケーブルレリーズは,長い針金で機械的に力を伝えてシャッターレリーズボタンを押すのだから,どうしても余計な押し込みによる余計な振動が発生することがある。電子シャッターカメラには,リモートスイッチやワイヤレスリモコンなどで,電気的に接点を接続させることができるものもある。これらは,カメラブレの防止のために有効な手段であろう。
 ところで,エアレリーズというものがある。これは,機械的にシャッターレリーズを押し込む道具であるが,力を伝えるものが針金ではなく,空気である。これは,カメラブレの少ないレリーズとして,古くから使われているようだ。

エアレリーズ

中古カメラ屋さんの店頭のワゴンで,これが100円で売られていたので,ついつい買ってしまったものである。


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