撮影日記


2005年06月03日(金) 天気:晴

短波ラジオ

撮影に出かけるときに,ラジオを携えていくことがある。たとえば,現地(の近く)に到着して,車中で少し仮眠をとるようなときに,少し音が欲しいことがある。こんなとき,カーステレオを使うのは,バッテリーに負担があるし,アイドリングを続けることには,ものすごい抵抗を感じる。また,昼食などで休憩するときに,ちょっとニュースや天気予報などを確認したいこともある。
 ところが,ちょっと山あいに入ったりすると,たちまちFM放送が,さらには中波放送が,受信しにくくなることがある。そんなときでも,短波放送なら受信できることがある。ところが,安価に売られているポケットラジオの多くは,短波放送の受信に対応していない。そこには,需要が少ないという要素もあるのだろうとは思う。
 ところが最近,安価で小型な短波ラジオを見かけるようになった。もしかしたら,ものすごく性能が悪いかも・・・・とか思いつつ,1つ試しに買ってみたところ,「実用になりそうだ」という感触を得た。なにも,本格的にBCLをやってみよう,というつもりではない。「ラジオNIKKEI」(旧ラジオたんぱ)やNHKの国際放送が(日本国内で)受信できればいいのである。

今回,購入したラジオは,「株式会社オーム電機」(「オーム電機株式会社」とは別会社である)というところから発売されている「RAD−S311N」というものである。あるホームセンターで¥1,980だった。ちょっとしたポケットラジオと大差ない価格である。

オーム電機の短波ラジオ RAD-S311-N

小学生のころ,ナショナルの「ワールドボーイGXO」(RF-848)というラジオを買ってもらった。これは,FM放送,中波,短波の3バンドラジオである。これで初めて,短波放送というものをじっくり聞くことになった。折りしも世間は「BCLブーム」であった。海外の日本語放送が聞こえるとおもしろいよ!という情報は,すぐに耳に入ってきた。しかし,当時の自分自身は,ラジオに関する知識も外国語に関する知識もなく,本格的なBCL用ラジオほど使いやすいラジオだったわけでもないなどの事情から,深入りすることができなかったのであろう。
 「話題の海外放送は,伝播に有利な15MHz帯を使う」ということがいわれていた。「ワールドボーイGXO」は,3.9〜12MHzしかカバーしていなかったのである。また,ダイアルの目盛の精度があまり高くなく,受信周波数を読み取ることは困難であった。
 その後,就職して数年たったとき,数ヶ月間の出張に出たことがあった。ビジネスホテルにはテレビがあってもラジオがない。そこで,半ば衝動的に1つのラジオを買った。それは,パナソニック「RF−B65」というものである。これは長波,中波,短波,FM放送が受信できるものであった。短波は,1.620MHz〜29.999MHzを受信できるシンセサイザチューナーである。つまり,「ワールドボーイGXO」ではできなかった,15MHz帯の受信や,周波数の読み取りができるのである。こんなラジオを衝動的に買ってしまったのは,過去の悔しい思いがあったからなのだろうか。

ところが,このラジオは,あまりおもしろくない。周波数がわかっている放送を受信するのにはたしかに便利だが,なにが聞こえるかな?とワクワクしてダイアルを回す,ということができないのである。ダイアルはあるのだが,シンセサイザチューナーだからなのか,ダイアルを早く回していると,微弱な電波には気がつきにくいのである。
 今回,「RAD−S311N」というラジオを買って,電波って不思議だなとか,なんとなく感じていたころのことを,思い出したような気がする。

「RAD−S311N」の受信範囲は,4.5MHz帯から21MHz帯の範囲の放送バンドだけである。受信範囲は「歯抜け」の状態であるが,目的とした国内の短波放送は十分に受信できるし,近隣国のものと思われる海外放送も十分に受信できる。感度はあまりよい方ではないと思うが,実用上問題があるような低感度ではなく,むしろそのために,かえって受信しやすくなっていると思われる。
 FM放送については,感度も低く音も悪い(音が割れ気味になる)が,この価格でこの機能・性能なら,十分に満足である。


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