撮影日記


2005年05月25日(水) 天気:晴

魚眼レンズ

最近,よい天気の日が多い。5月の晴の日を「五月晴れ(さつきばれ)」と呼ぶ人も多いが,これは誤り。本来の「さつきばれ」は,梅雨の間の晴の日を指す。そんなときはすなおに「五月晴れ(ごがつばれ)」と読めば,誤りといわれずに済むかもしれない。
 一眼レフカメラの魅力の1つには,さまざまな交換レンズを使って,さまざまな表現ができることがある。特殊な表現のできるレンズの1つに,魚眼レンズというものがある。これは,およそ180度の範囲を写すことができるレンズであるが,そのために,画像は著しく歪んだものになる。
 魚眼レンズを使うと,現実離れした画像が得られる。ときにはこういう特殊効果を単純に楽しんでみるのもいいだろう。魚眼レンズで,晴れた青空を写しこんでみるのも,おもしろいかもしれない。

ところで魚眼レンズは,一般的に高価格である。ニコン様の「おもしろレンズ工房」に,20mm魚眼レンズが含まれているが,これが写すことのできる範囲は,180度よりも大幅に狭く,画像の歪みを残しただけの超広角レンズにすぎない。「魚眼レンズ」というよりも,「魚眼風レンズ」と呼びたくなる製品だ。
 そして,残念ながら,私は本物の魚眼レンズを所有していない。しかし,ケンコーから発売されていた,フィッシュアイコンバージョンレンズを入手していたので,これで遊んでみることにした。
 このコンバージョンレンズは,フィルタ径が49mmのレンズの前に取り付けて使うようになっている。そこで,SMC PENTAX-M 50mm F1.7に取り付けて使ってみた。

PENTAX ME, SMC PENTAX-M 50mm F1.7, KENKO Fisheye Conversion Lens, GOLD200

魚眼レンズは,円周魚眼レンズと対角線魚眼レンズに大きく2分できる。円周魚眼レンズは,レンズ前面の180度の範囲すべてを円形の画像としてフィルムに記録する。一方,対角線魚眼レンズは,長方形のフィルム面の対角線が180度の範囲になっている。長方形のフィルム面が,円周魚眼レンズによる円形の画像に内接している,ということもできる。
 このコンバージョンレンズのおもしろいところは,焦点距離50mmのレンズに取り付けると円周魚眼レンズとして,焦点距離100mmのレンズに取り付けると対角線魚眼レンズとして使えることである。
 残念なことに,Kマウントのレンズは,この50mm F1.7しかもっていないので,今回は,円周魚眼レンズとしての使い方しかしていない。

PENTAX ME, SMC PENTAX-M 50mm F1.7, KENKO Fisheye Conversion Lens, GOLD200

円周魚眼レンズは,空間のエネルギーを凝縮して1点に集中させてしまう。そういう印象を受けないだろうか?
 ところで,いろいろな「おもカメ」を発売しているLomographyから,こんどは魚眼レンズつきのカメラが発売されるらしい。魚眼レンズで作品をつくるには相当の技量が必要になると思われるが,こういう特殊効果が手軽に楽しめる製品が登場することは,たいへんよいことだと思う。


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