撮影日記


2004年09月01日(水) 天気:晴のち雨

初めてカメラを買おうと思う人へ

日本人はカメラ好き?

日本でもよく知られていた「ちびくろサンボ」というお話が,とくに挿絵が,黒人に対する偏った見方であるという理由などから,書店や図書館から姿を消したようだ。これには,原作に忠実ではないという理由もあるようだが,この点はあまり大きく報じられていないような気がする。その後,挿絵の表現を変えた「チビクロさんぽ(小さな黒い犬が主人公)」や「トラのバターのパンケーキ(舞台をインドに設定している)」というタイトルの,同じストーリーのお話も出版されている。
 ところで,絵での表現では,出っ歯でメガネをかけてカメラを持っていれば,それは日本人らしい。これを日本人に対する偏った見方であると批判する声は,聞いたことがない。ともあれ,日本には,カメラや写真を撮ることが好きな人が多く見えるのであろう。
 しかし,誰だって「初めて」カメラを買うときはあるだろう。カメラに関心がある人が多いなら,「初めて」カメラを買う人も多いに違いない。

なにがいいですか?

「初めてカメラを買います。なにがいいですか?」

いわゆる「初心者」の人としては,当然のように出てくる疑問であろう。これは最大の難問である。なぜなら,カメラにはさまざまな種類があり,どれも「写真を撮る」という本質的な機能はまったく同じだからである。だからこそ,カメラのことをよく知らない初心者は,悩むのである。
 しかし,このような質問を受ける側も困る。答えはたくさんあるからだ。そこで,初めてカメラを買おうと思う人は,次のことはきちんと考えておくとよいだろ。

1 予算はいくらか。

2 なにを撮りたいか。

1は至極当然のことであろう。ただ,気をつけてほしいのは,予算を使い切ってはいけないことである。カメラを買えば,それで完結ではない。カメラ以外に,三脚やそのほかの小物が必要になる場合が多い。さらに,フィルム代,現像代,アルバム代なども必要であるし,撮影地に行くための交通費も必要である。総予算のなかの,カメラに使える予算はどれだけか,よく考える必要がある。
 2は,ある程度,漠然としたものでもよいが,撮影対象によって,最適な機種,不可欠な機能というものがかわってくる。少なくとも,カメラを買おうと思うからには,なにか撮りたいものがあるはずだ。それは必ず伝えるべきだろう。

35mm判一眼レフはいかが?

さて,具体的にどんなカメラを選べばよいのだろうか。なにを撮りたいかが明確でない場合,もっとも無難な選択肢は,電子式ではないマニュアル式の35mm一眼レフだろう。まず,これを検討し,そこに不満や不安があるなら,より最適なものはなにか,考えていけばよい。
 35mm判一眼レフのメリットは,非常に多い。以下に列記してみよう。

  • フィルムの種類が多く,入手が容易。
  • 現像を受け付ける店が多い。
  • 超望遠,超広角など,特殊なレンズも使える。
  • ファインダーで見える範囲と写る範囲がほぼ一致している。
  • カメラやレンズの種類が多く,選択肢が広い。

    ここで,電子式ではない「マニュアル式」カメラを最初に考えるとよいとするのは,次の理由による。もちろん,機種によっていろいろな差があるので,あくまでも一般的な傾向ということで理解してほしい。

  • ピントや露出操作などの基本を学習しやすい。
  • 電子式カメラにくらべて,故障しにくい。
  • シンプルなので飽きがこない。

    実際に購入する機種を選ぶときには,ここから検討をスタートし,オート機能が必要かどうか,高級機がよいか廉価版がよいか,コンパクトカメラで十分かどうか,画質にこだわって大きなフォーマットのカメラにするべきかどうか,さらに新品を買うか中古品を買うかなども判断していけばいいだろう。


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